World Energy Watch

2016年11月23日

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トランプの投資の判断基準は期間回収法

 トランプのエネルギー問題に関する発言をみていると、思考方法を垣間見ることができる。それは収益性重視だ。エネルギー関連の投資に関する政策決定を行う際には、当然収益性を検討することになるだろう。収益性をみる指標としては、日本でも米国でもキャッシュフローを基にし、時間の概念を入れたDCF(Discounted Cash Flow)法に基づき、内部収益率、IRR(Internal Rate of Return)あるいは純現在価値、NPV(Net Present Value)を計算するのが普通だ。

 トランプは、もっと単純な方法で投資を考え、費用に対する効果を常に求めている。例えば、米国が反カダフィ派支援を2011年に行なったことについては、次のようにコメントしている「反カダフィ派から助けを求められ時に、応じることは了解だが、見返りに今後25年間の石油生産の半分を寄越せと要求すべきだった」。

 エネルギー問題に関しトランプが判断基準として用いる収益率は、期間回収(Pay Back Period)法だ。投資額を何年で回収可能か計算し、意思決定に用いる。簡単な方法だ。2008年の著書では、建設中のビルを環境に対応した省エネビルにするように州政府に要請されたが、巨額の資金の回収に40年掛かり投資が成立しないとの話を披瀝している。2012年には、太陽光発電への投資の回収には32年必要だが、誰もそんな事業には投資しないと発言し、さらに2015年の著書では、投資の回収に20年必要な太陽光発電を良い投資とは呼ばないとしている。 

 投資を何年で回収できるかが、トランプにとっては重要な判断基準のようだ。補助制度により支えられている再エネについては、収益面からトランプの評価は低いようだが、税額控除制度の延長を認めた議会との関係などから、直ちに再エネの税額控除を見直す可能性は低いように思われる。

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