2024年4月25日(木)

「資格王子」のワンポイントレッスン

2016年11月27日

弁護士と司法書士、その違いは?

 遺言書や相続問題などで出てくる職種といえば、弁護士を思い浮かべる方は多いのではないだろうか? 実際にドラマに出てくる豪邸に住む資産家に仕えているのは弁護士である。実のところを言うと、弁護士は司法書士の業務も行うことができる。

 ではなぜ司法書士が存在するのか? 弁護士と司法書士に「求められること」が違ってくるからだと私は考えている。弁護士が活躍する場面は、「実際にトラブルが起きてから」というシチュエーションが非常に多い。泥沼の離婚調停や、遺産の骨肉の争いなどは代表的な例だ。

 一方、司法書士は「手続を遺漏なく進める」という意味で、トラブル処理というよりは、手続の円滑な活用という側面が大きい(もちろん、紛争にかかわる場合もあるのは上記の通り)。実際に株主総会で決議したことを登記に反映したり、不動産取引を登記に反映したりといった事項については、実務の下支えという役割である。

 この両者の差は大きく、また向いている人材もガラリと変わってくる。弁護士には議論好きの人材がなることが多いし、司法書士には細かいことが得意な人材がなることが多い。一律に「法律資格」と言っても、中身を見ていけば求められるものや人材も違うのである。

 これが資格の面白いところでもあり、また難しいところでもある。資格を受験する際には、「自分に合っているのか」というところまで真髄を見て判断することをお勧めする。

  
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