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2016年11月28日

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シリア軍は27日、反政府勢力が掌握してきたアレッポ東部に急迫した。市民数千人が数時間の内に、政府支配地区や他の反政府勢力支配地区に避難したという。

シリア軍は26日にアレッポ東部のハナノ地区を制圧し、27日にはハナノから南西に隣接するジャバル・バドロ地区を掌握。他の地区にも前進している。反政府勢力が支配する東部を2つに分断することが、政府軍の狙いという。

アレッポ東部には約27万5000人の市民が残っているとみられているが、食料や医薬品は底を尽きかけているという。

母ファテマさんと市内からツイートを続けて注目されている7歳のバナ・アラベドさんは27日、東部にある自宅が爆撃されたとツイートした。

母ファテマさんはその数時間前に、「最後のメッセージ。激しい爆撃。これ以上生きられない。死んだら、まだ中にいる20万人のために語り続けて。さよなら」とツイートしていた。

アレッポ東部の正確な状況を把握するのは困難だが、複数の情報によると――、

・政府軍はサフール地区にも進攻し、反政府地区を分断する回廊貫通まであと500メートル

・ロイター通信によると、政府軍はホロク地区も掌握。NGO「シリア人権監視団」によると、政府軍はバアディーン地区も制圧した。

・一方で、クルド人勢力がブスタン・アル・バシャ地区を制圧し、市民2500人を北へ脱出させたとの情報もある。

シリア軍は、政府が支配する西部地区へ市民1500人を脱出させたと説明している。ロシアの通信社は、子供119人を含む市民約900人が、政府軍の進攻前にジャバル・バドロを脱出したと伝えている。

26日にハナノ地区を脱出した男性はロイター通信に、「シリア軍の爆撃と塩素ガス」のために脱出したと話した。男性は妻と母親、子供3人と共に市内西部へ移動しようと、バス停でミニバスを待っていたという。

シリア政府は13日前からアレッポ東部進攻作戦を続けている。ロンドンを拠点とする非政府組織「シリア人権監視団」によると、子供27人を含む市民219人が戦闘で死亡しているという。

5年間の内戦の末に政府軍がアレッポを奪還できれば、アサド大統領にとって大勝利となる。

かつてシリアの商工業の中心地だったアレッポは、2012年以来、政府が西部、反政府勢力が東部を支配し、分断されてきた。

シリア政府軍は約1年前から、イランが支援する民兵とロシア軍の空爆に支援されながら、支配地区を拡大してきた。

ロシア政府は、自軍はシリア領内の他地域に展開しているが、アレッポ上空では行動していないと主張している。


<解説>セバスチャン・アッシャー、BBCアラビア問題担当編集委員

アレッポの反政府勢力にとって、これは過去最大の打撃だ。東から進軍してくる政府軍に、あっという間に敗退しているように見える。

ハナノ奪還は政府軍にとって戦略的成果だったと同時に、象徴的な意味も伴う。反政府勢力が2012年にアレッポで最初に制圧したのが、ハナモ地区だったからだ。

政府軍は、反政府勢力地域が細く狭まった箇所を集中的に攻撃し、反政府勢力の支配地域を2つに分断しようとしているように見える。サフール地区では激戦が展開中だ。反政府勢力がここを失えば、政府軍は目的を達成する。

戦闘の影響で、市民の多くは他の反政府勢力地区だけでなく、政府支配地区への避難も余儀なくされている。


(英語記事 Syria war: Army makes rapid gains in rebel-held east Aleppo

提供元:http://www.bbc.com/japanese/38127073

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