2024年4月24日(水)

古希バックパッカー海外放浪記

2017年1月1日

 マリアと話していて前年に地中海のイオニア海の高級リゾートであるコルフ島で出会ったルーマニア出身のラルカを思い出した。ラルカもルーマニアはドラキュラとコマネチだけと自嘲気味に話していた。そして彼女も高校を出て7年間出稼ぎしてきたという。

 EUは域内に広大な単一労働市場を創出して労働者の移動の自由が保証されたが、副作用として多くの非自発的出稼ぎ労働者を生み出したのだ。

朝靄に浮かぶエンナの隣町

故郷で家族と幸せに暮らす日を夢見て

カルタジローネの装飾タイルの大階段

 マリアはお茶を飲み終えるとキッチンで夕食の支度を始めた。9時過ぎに青年が現れて二人で夕食をテーブルに並べた。彼はマリアのボーイフレンドでルーマニアからイタリアに3年前に出稼ぎに来て昨年からエンナで働いている。学卒のエンジニアであるがエンナでは雑役夫として毎日14時間働いているという。異国の地で同郷者同士励ましあいながら暮らしている光景を目の当たりにして少し気持ちが和んだ。

神仏は一つなのであろうか?

ラグーザの町の夜景
 

 10月17日 朝食を食べてからマリアとお茶を飲みながらおしゃべりした。話題がルーマニアの宗教事情になった。ルーマニア正教が人口の70%、カトリックが30%という。ルーマニア正教徒は火葬が多くマリアもそれを望んでいると。キリスト教は基本的には土葬ではないかと聞くとマリアは個人の意思が尊重されるべきであり宗派で決めるべきではないと主張。

 さらにマリア曰く、神も仏もアラーもゼウスも根源的には同じ存在であるという。キリスト教徒、仏教徒、回教徒、古代ギリシア人がそれぞれの立場で違う角度から解釈しているだけで大元は同一であるという。確かに欧米人の若者と宗教を論じているとマリアと同じ考え方を耳にすることが多い。


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