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2016年12月2日

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ドナルド・トランプ次期米大統領は1日、国防長官にジェイムズ・マティス退役大将(66)を指名した。トランプ氏はオハイオ州シンシナティで開いた支援者集会で、「国防長官に『狂犬』マティスを指名する」と発表した。

「狂犬」の異名をもつマティス元中央軍司令官は、オバマ政権の中東政策、特にイラン政策をかねてから強く批判し、イランこそが「中東の安定と平和を脅かす最大の脅威だ」と非難してきた。

トランプ氏は、今回の選挙で自分が勝ったかつての民主党支持基盤の各州をめぐる「USA Thank You ツアー2016」を、シンシナティから開始し、マティス氏が「一番適任だ」と称賛。

「(第2次世界大戦の)ジョージ・パットン将軍に誰より近いと言われてる人物だ」と述べた。

海兵隊出身の退役大将は、1991年の湾岸戦争で突撃部隊を指揮し、2001年にはアフガニスタン南部でタスクフォースを指揮した。

マティス氏は2003年のイラク戦争にも参加し、翌年のファルージャ総攻撃でも主要な役割を果たした。米統合戦力軍、北大西洋条約機構(NATO)変革連合軍の最高司令官を歴任し、2010年に中央軍司令官に就任。2013年に退役した。

反乱対策マニュアルの共著者となり、これがイラクの宗派間対立の緩和に貢献し、2011年12月の米軍撤退に道を開いたと言われる。

米軍関係者にマティス氏の国防長官就任は歓迎されるだろうが、現行の法律では軍人が国防長官となるには退役から少なくとも7年はたっていないとならない。

このため、共和党が上下両院を支配する連邦議会が、この規定の適用を除外する特別法を成立させる必要がある。

承認されれば、退役軍人が国防総省のトップになるのは2度目となる。1950年にはトルーマン政権の国務長官だったマーシャル陸軍元帥が、国防長官に就任するため、現職軍人の就任を禁止する法律の適用除外を議会が承認した。

「戦う修道士」

海兵隊で44年間務めたマティス氏と11月に会談した後、トランプ氏は「彼は本物だ」、「将軍の中の将軍だ」と称賛していた。

「狂犬」の異名を持つマティス氏は、一度も結婚せず子供もいないため、「戦う修道士」とも呼ばれる。

米国の敵に対する厳しい姿勢は有名で、2003年にはイラクの海兵隊に、「礼儀正しいプロであれ。しかし会う全員を殺す計画を持て」と訓話を述べた。

その忌憚(きたん)のない物言いは、称賛されることもあれば非難されることもあった。

2005年にはサンディエゴで米軍関係者の討論会で、「人を撃つのが楽しいこともある。正直に認めるが、乱闘騒ぎが好きだ」と述べて、批判された。

「アフガニスタンに行くと、ベールをしなかったからと女を5年間も叩き続ける連中がいる。そんな男はそもそもろくな男じゃないんだから、そういう連中を撃つのはむちゃくちゃ楽しい」と、マティス氏は当時述べた。


マティス将軍、自ら語る

1. 失敗の可能性が心配で眠れなかったことなどない。失敗(failure)という単語の書き方も知らないくらいだ。

2. 初めて他人を吹き飛ばした時、それはささいな出来事ではない。とは言うものの、世界にはただひたすら撃つしかないろくでもない連中もいる。

3. 私は平和のためにやってきた。大砲はない。けれども、涙を浮かべながら、お願いする。もし私をくそのように扱ったら、全員殺す。

4. 戦場でなにより大事な15センチとは、自分の耳と耳の間にある。

5. 撃たれても当たらないのは、本当に最高だ。こんなにいいことはない。

6. あらためてお願いします。歯向かわないで。もしそんなことをしたら、生き残った連中は、我々がここで何をしたか、1万年は書き続けるから。

(出典:サンディエゴ・ユニオン・トリビューン)


(英語記事 Trump names Gen James 'Mad Dog' Mattis as defence secretary / Trump transition: Who is General 'Mad Dog' Mattis?

提供元:http://www.bbc.com/japanese/38178720

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