山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2016年12月6日

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ルワンダにはボランティアという概念がない

 籠田さんは、ボランティアを楽しいものだと考えている。つまり他人に対して、多かれ少なかれ自己犠牲を払って無償で奉仕するとはいえ楽しくなければできないし、与えるばかりでは辛いはずだと考えているようだ。自分の時間をボランティア活動に使うだけでも、人によっては自己犠牲と呼ぶかもしれないが、「ボランティアをやってて偉いね」って思うことには少し違和感があるというのだ。本人は好きで楽しくてやっているんだから。ボランティアをあまり崇高なものとしてとらえず、自分にしてみると「申し訳ない」と考えるよりも、素直に、そして全力で「ありがとう」と言いたいのだ。では、ボランティアをみんなにとってポジティブなものにするには、どうしたらいいのか。ボランティアは本来、自発的なものだから、他者への共感や想像力がないとできないことである。声が小さい人の声が聞こえるように、声が出せない人の声も汲み取れるように気にし続けることが大切だと思う。そういえば、ルワンダでは「ボランティア」という概念そのものが希薄なのだ。それは、みんなが支え合って生きて行くのが当たり前だからなのである。

ルワンダの「ウムガンダ」は草の根ボランティアだ

 例えば、毎月最終土曜日は、ウムガンダといって各コミュニティが、そこに住む人たち同士で道の掃除や草刈りや街路樹の剪定、また収入が低い家庭の家を修繕したり、いろんな奉仕活動をしている。ウムガンダの時間帯には全ての店舗営業は禁止で自動車の走行も禁止である。一番多いのは街のお掃除だが「やらされている感」もあるのかもしれないが(笑)、もともとそういう文化がないと当たり前にできないことだと思っている。ウムガンダはルワンダだけの昔からの習慣でありカガメ大統領の就任後に強化されたので国民の連帯感や絆が深まっている事は間違いない。写真は植林プロジェクトのウムガンダの様子である。

 

 籠田さんのJICAでの仕事は維持管理も含めた水供給インフラ整備や衛生問題がメインの担当で結構お硬いお仕事だ。JICAの仕事は国際貢献のテーマ探しも大切な仕事であるから専門知識を持ってなければできない職種である。また、彼女は自分の主な担当分野以外のICTセクターにも取り込んでいる。ICTとは、Information and Communication Technology(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)の略で日本語では一般に”情報通信技術”と訳されている。ICTの活用による教育、医療、介護・福祉などの幅広い公共分野への応用が期待されているのだが、籠田さんはルワンダで地に足のついたICTの活用に力を入れている。

ルワンダはICT国家

 最近の情報ではドローンを利用してルワンダの山奥まで血液を輸送するプロジェクトが始まっている。世界銀行がルワンダ向けのICT分野に力を入れているがルワンダは国家の復興の手だてとして戦略的にICT(情報通信技術)を使うことを決定し、2000年から2020年までの5か年ごとの国家ICT戦略・計画が、ルワンダ開発の一つの柱として推進した結果、キガリではルワンダ政府の広報や生活情報などもICTに取り入れて成功している。ダボス会議の世界経済フォーラム が発表した「グローバル・インフォメーション・テクノロジー・レポート2015」の中で、「ICTの活用促進に最も成功した政府」世界1位がルワンダだと聞いて驚いている。(ちなみに日本は27位)

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