使えない上司・使えない部下

2016年12月20日

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1つのモノサシでは、人は育ちません

 私が、社員によく言っていることの1つに、「凡事徹底」という言葉があります。これは当たり前のことを人にはまねできないほどに徹底してやるという意味であり、私自身も大切にしている言葉です。

 企業社会は、違う意味で厳しいところです。プロでは、毎年、年俸交渉があり、1年間はその給与が保証されますが、会社員は、ある日突然、倒産等により職を失うことがあります。成績がよくとも、報われるとは限らない場合もあるかと思います。メンタル面では、会社員のほうが厳しく、忍耐力が求められると思います。

 2003年からは会社を経営する立場となり、人材育成の難しさを一段と感じました。私が30センチのモノサシをもっているならば、40センチの仕事をする人を「優秀」と評価し、5センチの仕事をする人を「なぜ、そんなにできないのか」と批判していました。当初は、1つのモノサシでしか、社員を判断することができなかったのです。

 社長が1つのモノサシしかもっていないようでは、人は育ちません。ましてや、組織をつくることもできません。1つのモノサシだけで判断し、「使えない社員」とレッテルを貼り、辞めさせてしまうようでは、会社の成長は難しいでしょう。

 「使えない社員」「いらない社員」という考えは、当社にはありません。「人が人を育てる」が、経営理念の1つです。仕事の覚えが少々遅い社員がいたとしても、あきらめることなく教え続けていくことが大切であり、何より、人を育てることが経営者としての責任だと思っています。

 悩んだ時に「なぜ、自分はプロで通用しなかったのか」と、思い返すことがあります。そんなときは「個人プレーに走っていないであろうか。自分ひとりでは何も始まらない。社員を育て上げ、組織をつくることこそが、自分が成すべきことだ」と、自分に言い聞かせています。

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