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2016年12月5日

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ドナルド・トランプ米次期大統領が1979年以来の前例を破り、正式な外交関係のない台湾の蔡英文総統と電話会談したことについて、中国外交部は3日、「米国の関係各方面に厳正な申し入れをした」と明らかにした。

中国国営メディアによると、外交部は米政府に「米中関係の大局が不要な妨害を受けることがないよう」、「1つの中国」政策を守り、台湾問題を「慎重に、適切に扱うよう」促したという。またこれに先立ち王毅外相は3日朝、台湾側による「つまらない策略だ」と台湾を批判した。

トランプ氏と蔡総統は2日に電話会談。トランプ陣営側が台湾総統に電話をしたという情報もあるが、トランプ氏は2日、「大統領に当選しておめでとうと、台湾総統から電話してきた」とツイートした(強調原文ママ)。

トランプ陣営によると、トランプ氏は蔡総統に今年1月の総統就任への祝辞を述べたと言う。

米国は1979年に中国と国交を樹立し、台湾とは断交した。それ以来、大統領や次期大統領が台湾首脳と直接会話したことはないとされている。

中国の反発を呼ぶ可能性についてメディアが報道すると、トランプ氏は「米国は台湾に何十億ドルもの兵器を売ってるのに、おめでとうの電話を受けちゃいけないって、興味深いな」とツイートした

ホワイトハウスは、トランプ氏と台湾総統との電話会談は、米外交政策の転換を意味するものではないと強調。米メディア報道によると、ホワイトハウスも電話会談の後に知らされたという。

トランプ氏の報道担当は、次期大統領は米国の台湾政策について「よく承知している」と述べた。


何が問題なのか

国共内戦で毛沢東率いる中国共和党軍に敗れた中華民国と国民党は1949年、台湾に移動。中華民国は国連代表権を維持し、欧米諸国には唯一の中国政府と承認されていたが、1971年に国連総会が中華人民共和国を唯一の中国の正統な政府と承認。中華民国は国連を脱退した。

米政府は1979年に台湾と断交し、中華人民共和国の「一国二制度」を支持した。

しかし断交してもなお、台湾にとって米国は唯一の同盟相手で最大の友好国だ。米国の台湾関係法ではは、台湾防衛用のみに限り米国製兵器を提供すると約束し、台湾の安全などを脅かす武力行使などに対抗し得る防衛力を米政府が維持すると約束している。

中国は台湾に向けて多数のミサイルを配備しており、もし台湾が公式に独立を宣言すれば武力行使も辞さないと言明している。

今年1月に圧勝した蔡総統率いる民進党は、伝統的に台湾独立を綱領としており、蔡政権は「一国二制度」政策を受け入れていない。


<解説> 懸念から危機感と怒りへ キャリー・グレイシーBBC中国編集長

台湾に関する米政府の40年近くにおよぶ慣例をトランプ氏が破り、台湾総統と直接会談したことは、中国政府関係者を驚嘆させた。

11月8日の当選以来、中国政府はトランプ氏のアジア政策顧問が誰で、対中政策がどうなるのか理解しようと、躍起になっている。

台湾総統との電話会談は、これまで懸念だったものを怒りに変質させるだろう。

中国政府は台湾を一地方自治体とみなしている。独立主権国家としての形式を一切否定することが、中国外交政策の主要優先事項なのだ。


<解説> 穏やかな反応 シンディ・スイBBC記者、台北

中国の反応は比較的穏やかだった。最初からいきなりトランプ氏とぎくしゃくしたくないからだ。加えて中国は、トランプ氏は政治家として経験不足だとみているので、今のところはとりたてて騒がず、見逃すつもりだ。

米政府が、中国と台湾に関する政策に変化はないと表明したことも、中国にとってはある程度の安心材料だろう。しかし舞台裏では中国はほぼ間違いなく、このような外交失態を二度と起こさないよう、トランプ陣営を懸命に「教育」しているに違いない。

蔡総統のこの動きを受けて、中国政府はいっそう蔡氏に対して怒り、不信感を抱き、中国からの正式独立を目指しているものとみなすだろう。


(英語記事 Trump-Taiwan call: China lodges protest

提供元:http://www.bbc.com/japanese/38204570

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