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2016年12月6日

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米大統領選にまつわる奇妙な偽ニュースと陰謀論の舞台にされた米ワシントンのピザ店に4日、ライフル銃を持った男が押し入り、発砲した後に警察に投降した。

警察によると、ピザ店「コメット・ピンポン」に銃を持って押し入ったのは、ノースカロライナ州出身のエドガー・マディソン・ウェルチ容疑者(28)。いわゆる「ピザゲート」の真相を「独自に捜査するため」、ピザ店を訪れたと供述しているという。

調べによると、容疑者は店に入り、ライフル銃を従業員に向けた疑い。従業員は逃げたが、容疑者は床に向けて発砲したとされる。負傷者はいなかった。警察は、危険な武器を使用した暴行の疑いで、容疑者を逮捕した。

「ピザゲート」とは、大統領選の前にインターネットで広まった偽ニュース、陰謀論のひとつ。匿名のネット利用者が匿名の捜査関係筋から聞いた話として、ワシントンのピザ店を根城にする児童買春組織に民主党最高幹部たちが関わっているという噂をネット掲示板「4chan」などで広め、それがドナルド・トランプ氏を支持する極右のいわゆる「alt-right (オルタナ右翼)」をはじめ、ヒラリー・クリントン氏を嫌う人たちの間でまことしやかに広がった現象を指す。

「4chan」やもうひとつの掲示板サイト「レディット」で噂の拡散に加担した利用者たちは、民主党本部から流出して告発サイト「ウィキリークス」が公表したメールに出てくる、チーズやホットドッグ、ピザなどといった単語が、幼児や性行為を意味する暗号だと決めつけていた。

陰謀論の舞台にされたピザ店「コメット・ピンポン」の店長で民主党支持者のジェイムズ・アレファンティス氏は、4日の発砲事件を受けて、「はっきり申し上げる。噂はまったく完全に嘘で、事実の裏付けは何一つない」とコメント。

「偽で無謀な陰謀論をいたずらに広めると、その結果としてどういうことが起きるか、今日の出来事ははっきり示している」

ソーシャルメディアのインスタグラムやフェイスブックでは、アレファンティス氏に対する脅迫のメッセージが大量に書き込まれている。店舗の外で、「ピザゲート」を信じ込んだ人たちによる抗議行動も行われた。

異様で無根拠の「ピザゲート」は、多くの右派ブログによって拡散された。そのひとつが、トランプ氏支持者のアレックス・ジョーンズ氏が運営する「Infowars」だ。

陰謀論者でラジオ・トーク番組司会者のジョーンズ氏は、選挙翌日にトランプ氏から電話があり、自分と支持者の応援を感謝されたと話している。

トランプ氏が国家安全保障問題担当の大統領補佐官に選んだ、マイケル・フリン元国防情報局長官の息子、マイケル・フリン・ジュニア氏も発砲事件後に、「ピザゲートが嘘だと証明されるまで、この話は終わらない。左は、(クリントン選対委員長だった)ポデスタの流出メールと、そこに結びつくたくさんの『偶然』を、左の連中は忘れてるみたいだ」とツイートした。

(英語記事 Pizzagate: Gunman fires in restaurant at centre of conspiracy

提供元:http://www.bbc.com/japanese/38218075

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