WEDGE REPORT

2016年12月15日

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西田宗千佳 (にしだ・むねちか)

フリージャーナリスト

パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連などを中心に、様々な媒体に寄稿している。

 9月7日に米サンフランシスコで開催された、新型iPhoneの発表会において、もっとも聴衆が歓声を送ったのは、iPhone自体の発表ではなく、あるゲームの発表だった。

 そのゲームとは、任天堂の「スーパーマリオラン」。お披露目も、マリオの生みの親である宮本茂氏が担当した。近年、iPhoneの発表会は驚きがないと言われるが、「iPhoneにマリオが出る」ことは完全なサプライズであり、会場を熱狂させた。

iPhone7発表会の場にサプライズで登場したマリオの「生みの親」、任天堂の宮本茂・代表取締役クリエイティブフェロー(写真・REUTERS/AFLO)

 「スーパーマリオランは、iPhoneに特化したマリオ。片手でつり革につかまりながらでも、片手でリンゴを食べながらでも楽しめます」

 宮本氏は、ちょっとしたリップサービスを交えながら、「スマホのマリオ」をデモした。スーパーマリオランは年内にまずiPhoneから登場する予定で、その後、Androidにも提供される。アップルは「独占」を取り付けることができなかったが、それでも、iPhoneとマリオの関係を強く印象づけることに成功した。10月13日には同社のティム・クックCEOが来日したが、その際にも任天堂を訪問、スーパーマリオランをプレイし、宮本茂氏と歓談する光景をTwitterで公開している。

 背景には、7月から続く「ポケモンGO」の大ヒットがある。アプリ関連のマーケティング調査会社であるApp Annieの調べによれば、ポケモンGOはスタートから3カ月で6億ドル(約600億円)の売り上げを達成している。これはモバイルアプリにおいて史上最速の記録である。収益のうち3割は、アップルやグーグルなどのアプリストアを運営する企業に入る。だから、アップルとしては笑いが止まらない。スーパーマリオランが大ヒットすれば、アップルにとっては、また一つドル箱が増えることになる。

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