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2016年12月8日

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イタリアのマッテオ・レンツィ首相は7日、セルジオ・マッタレッラ大統領に辞表を提出した。同首相は、4日に実施された憲法改正の是非を問う国民投票で反対が過半となったことを受けて退陣を表明していた。

辞表は、同日の2017年度政府予算の上院通過を待って提出された。マッタレッラ大統領は8日午後6時(日本時間9日午前2時)から、暫定内閣について各政党との協議を始める予定。

大統領のウゴ・ザンペッティ補佐官は記者団に対し、協議は10日午後までに終了する予定で、支持を得られるような内閣の布陣を検討すると述べた。

ロイター通信は、マッタレッラ大統領がレンツィ現内閣の閣僚か、レンツィ首相の民主党の政治家に組閣を要請する見通しだと伝えた。

一部では、ピエール・カルロ・パドアン財務相や、党派性の薄いピエトロ・グラッソ上院議長の名前が取りざたされている。

しかし、イタリアでは2018年まで総選挙の予定がないため、前倒し実施を求める声も一部には出ている。


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4日の国民投票では、レンツィ首相が提案した憲法改正案への反対票は59%となり、賛成票41%を大幅に上回った。

ローマで取材するBBCのジェイムズ・レノルズ記者は、レンツィ氏は辞任後も政治の表舞台で活動する意向だと指摘した。

レンツィ氏は議会で最大勢力の民主党を率いており、次期首相の指名でも大きな影響力を持つとみられる。

大統領官邸のクイリナーレ宮に辞表を持って向かう前、レンツィ氏は与党関係者らに対し、「国家的な責任を負う政権」には、他党の支持があるものにのみ参加すべきだとした上で、もしそうでなければ、「民主党は前倒し選挙もいとわない」と語った。

国民投票で反対票を投じるよう訴えていた反欧州連合(EU)の「北部同盟」や反エスタブリッシュメントの「五つ星運動」は総選挙の前倒し実施を求めている。

しかし、中道右派の「フォルツァ・イタリア」など、ほかの政党は選挙をできるだけ先延ばししたい考え。「フォルツァ・イタリア」を率いる現在80歳のシルビオ・ベルルスコーニ元首相は7日に、半年前に受けた心臓手術後の検査をミラノ市内の病院で受けた。

イタリア国内の消息筋によると、マッタレッラ大統領は選挙制度が上下院で違う現状の下で選挙は「あり得ない」と考えている。

下院では、最も議席獲得数の多かった政党にボーナスの議席を与え、自動的に過半数を握らせる「イタリクム」という制度が昨年導入されているが、比例代表制を取る上院には適用されていない。

上院の改革も今回否決された国民投票にも含まれていた。さらに、憲法裁判所が下院改革の合憲性について来年1月24日に判断を下す予定となっている。

イタリアの政治混乱は、国際金融市場にも波紋を広げた。経営難のイタリア第3位の銀行、モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)に対する50億ユーロ(約6110億円)の資本増強計画を始めとする、銀行の経営健全性への懸念が背景にある。

7日には、イタリア政府がモンテ・パスキに公的資金20億ユーロを注入し、経営権を握る準備をしているほか、国内銀行の支援のため、経営欧州安定メカニズム(ESM)に150億ユーロの融資を求めると伝えられたことから、欧州株式市場は上昇し、イタリア国債の利回りは低下(価格は上昇)した。

(英語記事 Italy's Renzi hands in resignation amid political turmoil

提供元:http://www.bbc.com/japanese/38246174

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