赤坂英一の野球丸

2016年12月14日

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 「ひょっとしたら、来年のドラフトで、巨人は清宮幸太郎(早実)を獲りにいくつもりなんじゃないか」――あまりにも気の早い話ではあるが、球界やマスコミの関係者の間ではいま、秘かにこんな噂がささやかれている。

 時ならぬ憶測を呼ぶ火種となったのはこのシーズンオフ、巨人が断行した球団史上最大規模の戦力補強だ。FAではDeNA・山口俊、ソフトバンク・森福允彦、日本ハム・陽岱鋼を獲得して、新外国人では元楽天のケーシー・マギーと契約。さらにはトレードでも日本ハムから吉川光夫、石川慎吾(交換相手は大田泰示、公文勝彦)、楽天から柿沢貴裕(交換相手は小山雄輝)を引き入れた。来年こそは何としても優勝と日本一を奪回する、という巨人の意気込みが伝わってくる。

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若手を一軍で抜擢するつもりはない

 同時に、すでに大方のファンも薄々気づいている通り、巨人が来年、若手を一軍の先発オーダーに抜擢するつもりがほとんどないこともはっきりした。とりわけ、野手にとっては絶望的な状況と言っていい。それでなくても、坂本勇人、村田修一、長野久義、阿部慎之助、片岡治大、ギャレット・ジョーンズ、ルイス・クルーズと主力や控えでほぼ定位置が埋まっているところへ、一・三塁を守れるマギーが加わるのだ。阿部や村田も代打要員に格下げされかねない状況で、若手が割って入れる余地があるか、子供にでもわかる。

 最も皺寄せを受けるのがマギーとポジションがかぶっている岡本和真だ。2年目の今年はキャンプから「将来の主砲」として期待されていたが、来年はもう「その他大勢の若手」の中に埋もれてしまうかもしれない。中井大介、山本泰寛、和田恋ら発展途上の選手たちも二軍暮らしを余儀なくされるだろう。それだけ彼らが力をつけてないからだ、と言ってしまえばそれまでだが。

 外野の若手たちも、陽の加入でグラウンドから弾き出されてしまいそうだ。巨人の外野手は長野以外にレギュラーの務まる右打者がおらず、ギャレット、亀井義行、松本哲也、橋本到、重信慎之介、堂上剛裕、立岡宗一郎と左打者が溢れかえっている。そこへ、長打力に俊足と守備力を兼ね備えた右打者の陽がやってくるのだから、〝余剰人員〟の左打ちの外野手の出番が減るのは確実だ。

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