田部康喜のTV読本

2016年12月28日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

「歌は世につれ世は歌につれ」
(ある時代によく歌われる歌は、その時代の世情を反映しているものだ:大辞林)

 NHK「紅白歌合戦」は今年67回目を迎える。ラジオ時代の1951(昭和26)年1月3日に第1回目が開催された、この番組が年末を飾るようになったのは第4回の1953(昭和28)年からのことである。

iStock

歌い継がれる「見上げてごらん夜の星を」

 冒頭のことわざのように、この番組は歌によって世相を映してきた。それとともに、歌が誕生した時代を超えて、歌い継がれていく――そこには、時代が歌の誕生の世相を超えていくのではないか。つまり、人々が歌い始めた時に歌に託した感情が、時を経て変化して、歌が再生する。

 『紅白歌合戦と日本人』(筑摩選書・太田省一著)は、そのように述べたうえで紅白歌合戦のなかで歌い継がれてきた歌をその例としてあげている。

 「坂本九の代表曲の一つ、『見上げてごらん夜の星を』(1963)は、永六輔が作曲家いずみたくとともに制作した同名のミュージカルの主題歌である。ミュージカル『見上げてごらん夜の星を』の主人公は、集団就職で都会に出てきて、働きながら夜学に通う高校生だった」

 今回の紅白では、ゆずがオリジナルの歌詞も加えて「見上げてごらん夜の星を~ぼくらのうた~」として歌う。

「手をつなごうボクと 
 追いかけよう夢を
 二人なら ぼくらなら
 苦しくなんかないさ」

 オリジナルの歌詞は、やはり坂本九の「上を向いて歩こう」とともに、2011年3月11日の東日本大震災後の人々の胸に染み入った。

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