2024年4月26日(金)

マネーの知識

2017年1月7日

社会経済の変化もESG等の新しい手法を後押し

 経済学者のトマ・ピケティとその著書に世界中が沸いて数年が経つが、そのテーマは長期的視点から見た経済的不平等であり、2011年の「ウォール街占拠」運動に大きな影響を与えたと言われている。IT革命、金融市場の成熟、そして規制緩和や諸々の変化に支えられ、FinTechという名のもと金融経済は大きく持続可能性を意識した方向へと視点している。

 資本規模や歴史が企業の利益にとって大きな意味を持った時代は終わりつつある。全世界に店舗や販売チャネルが無くともe-コマースはそれを瞬時に叶えてくれる。決済手段もここ数年の進化は目まぐるしい。従来型の財務諸表分析が今まで通り将来の収益予想を約束できなくなっている。

 Apple、 Amazon、そしてGoogle(Alphabet)といった新興企業の将来収益を想定するのにその財務諸表はどれだけ有効だろうか? Uber、Airbnb、Snapchat、DJI Innovation等、非上場企業でも同じだ。人事制度、コーポレートカルチャー、そしてコーポレートガバナンス等、投資手法のベースとなる情報が新しいものへと成長する過渡期にある。

 異なる視点からは、米国連邦海外腐敗行為防止法(米国FCPA)、影響贈収賄禁止法、マネーロンダリング対策、そして各国当局のスチュワードシップコードやフィデューシャリーデューティーの強化等、規制やガイドラインに促され、企業ガバナンスへの関心は高まる一方だ。


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