2024年4月19日(金)

家電口論

2017年1月6日

搾るということ

 「搾る」と言うと、古い話ですが思い出すことがある。フリッツ・フォン・エリック(1929-1997)というプロレスラーのことだ。握力がものすごく必殺技は「アイアン・クロー(鉄の爪)」。デカい手で頭を掴むと相手はすぐ「ギブ・アップ」。単純にものすごい握力で、頭を絞める技だが、それだけにスゴい。人間離れしたモンスターという感じです。その彼のデモンストレーションの一つが、手でリンゴを搾りアップルジュースを作ること。握りつぶすのだ。常人には無理、無理。

 彼は手を握ることにより「搾った」わけだが、別の言い方をすると「押しつぶした」。器械で言うと、円錐状の突起を持ったレモン搾り器と同じ。これも「押し」、そしてちょっと「捻り」ます。要するに固いモノに押しつけて潰すわけです。これがスロージューサーでは、「スクリュー」と「ストレーナー」に当たる。スクリューの溝は入口から終端に向かい段々浅く狭くなっている。果物などは、このスクリューの溝に添い進む。

 段々と狭くなり、押しつけられ潰されるというわけだ。3方向はスクリュー、そしてもう一つは孔の空いたストレーナー。当然ストレーナーの方がやや柔らかく、当たりがよい。そしてストレーナーの孔から果汁など、水分が分離されて出される。

 書いてしまうと簡単そうに見えるが、搾る果実、野菜により、滑り性、強度が違うので、いろいろな素材に対応する場合、技術難易度はかなり高い。

ポイント2「栄養素」

スロージューサーの搾り方

 フレッシュジュースの魅力に、味と共に高い栄養素がある。栄養と書きましたが、体の調子を整えるファイトケミカル、酵素などだ。ファイトケミカルとは、野菜、果物、豆類、芋類など、植物性食品の色素や香り、アクなどの成分から発見された化学物質のこと。抗酸化力、免疫力のアップなど、健康維持・改善に役立つのではないかと期待を集めている。

 これらファイトケミカルは、種、皮などに多く含まれますし、酵素は48℃まで温度が上がるとダメージを受けるので、なかなか効率よく取り入れることはできないのだ。スロージューサーは、基本的には約80回転/分でゆっくり搾ります。しかも実だけでなく、皮なども同時に搾ることができる。栄養を壊さずに取ることができるのだ。

 私が愛用しているのは、HUROM H2H。ずしっと重さと存在感抜群のスロージューサーだ。ややお高い価格と言えばお高いのですが、理由ははっきりしている。作りがよく、動きが安定、確実なのだ。このため高いとは思わない。スクリューは、ダブル型。デパートのエスカレーターの様に、表と裏で1つずつ送り溝があるタイプ。2倍量送れるので、スクリューの回転数は約40回転と通常の半分。こだわったモデル。味もすこぶるイイ。冒頭に書いた通りです。ずっとワクワクして使っている。デザインもよく、ドイツのレッドデザイン賞をはじめ、各国のデザイン賞を総なめにしている。


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