2024年4月20日(土)

WEDGE REPORT

2017年1月10日

隠れトランプの面々

 トランプ人事には賛否両論だが、例えば問題が多いとされるレックス・ティラーソン国務長官にも実業界からは期待の声も大きい。特にエンジニアリング系の人々の評価が高いが、彼らはトランプ氏を支えた、と言われるプアホワイトではない。多くが名刺にPhDの称号を持ち、高収入を得ている人々だ。うち1人は「これまでの政治家は政治家の家系に生まれる、あるいは弁護士などの出身が多く、実業についた経験のある者が少ない。彼らはルールを定めることは出来るが『ディール』することに慣れていない」と指摘、ティラーソンのような国際ビジネスマンの手腕に期待を寄せている、という。

 彼らは選挙中には「トランプに勝ち目はないだろう」と予測していたが、選挙後にはトランプ氏の政策に期待する、いわゆる「隠れトランプ」だ。多くが環境重視だったオバマ政権の規制により「製造業などが圧迫されていた」と感じ、「実業のあり方を知っている人間がトップに立つこと」で現場での仕事がやりやすくなる、という期待を抱いている。

 地球温暖化はデタラメ、などと語り科学オンチなのでは、と疑われていたトランプ氏だが、経済顧問としてテスラ社のイーロン・マスク氏やウーバーのトラビス・カラニック氏を招いたりしたことで、その評価も少しずつ変化しつつある。FDA長官が本当にオニール氏に決定すれば、特に医薬品業界からの評価はますます上がるだろう。

 不老不死の研究が進むことは人類全体にとって悪いことではない。トランプ氏のサプライズはまだまだ続きそうだ。

  
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