ネット炎上のかけらを拾いに

2017年1月11日

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 一方、「全て承知の上でございます」というタイトルでブログを更新し、謝罪をした生駒里奈。土下座する写真を3枚載せ、「テレビを観ている全てのアニメ作品、声優さんを愛している方には、私が出てること、私の発言にいちいちイライラしたり、思わなくていい感情を起こさせてしまい本当に申し訳ありません」と書いた。コメント欄では「気にしないで」「謝ることないと思うよ!」など応援が書き込まれている。

「どうでもいい」
あなたは誰かに影響を与えている

 りゅうちぇるに関しては一部の若い層、生駒里奈に関しては一部の声優ファンやアニメファンが彼らに批判のコメントを送っている。そして一部のファン以外は、あまり興味を持てない炎上なのではないかとも思う。

 怒っている人には申し訳ないが、筆者は正直、「どうでもいいな」と思ってしまった。だがここで、「どうでもいいよね」で終わらせてしまえばヤフーニュースのコメント欄と一緒である。なので、一方でこうも思うことを付け加えておきたい。人の怒りを軽んじる者は、いつか自分の怒りを笑われる。

 昨年のこのコーナーでは、長谷川豊氏の炎上やジェンダー系の数々の炎上、ネット上でのデマなどを取り上げてきた。筆者自身、炎上した人や企業に憤りを感じることもあった。ただそういった炎上に、「どうでもいいじゃん」「いちいち炎上させるな」と言っていた人がいるのも確かだった。

 人はもともと関心のある対象に対してしか怒れない。筆者がりゅうちぇるや生駒里奈の件に関して何の憤りも覚えないのは、バラエティ番組の演出がそういうものだと割り切っていること以外に、タレントの性格や声優業界にそもそも興味がないということがある。興味がない立場から、興味のある人に対して「そんなことで怒るな」とは、なかなか言いづらい。それは筆者も言われてきたからこそ、そう感じる。

 自分が怒りを感じないことについて怒っている人を目にすると、「あの人は単純だなあ」「感情的だなあ」などと思ってしまうことがある。そしてその人に比べて「自分は寛容だ」などと勘違いすることがあるのだが、もしかしたらそれは寛容などではなく、無関心や無神経なだけなのかもしれない。

 ちなみに、「どうでもいい」なら、そもそも言う必要はない。ニュースに「どうでもいい」と思ったら、それを書き込む前に、いったんなぜ自分が「どうでもいい」と思うのかを内省してみればいい。せめて、ひねりなさい!ひねりなさい!と言いたい。インターネットユーザーは皆、ただの情報の受け取り手ではなく、誰かに影響を与える発信者なのだから。

  
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