今月の旅指南

2017年1月26日

»著者プロフィール
閉じる

狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

巨大な御神体を浜に立ち上げる「起し立て」

 山口県南東部、瀬戸内海に面した室津(むろつ)半島にある柳井市阿月(やないしあつき)地区。この地で毎年2月11日、建国記念の日に開催されるのが、浜に立てた御神体を燃やす壮大な火祭り「阿月神明祭(しんめいまつり)」だ。

 阿月神明祭は、正月行事の左義長や伊勢神宮を崇拝する神明信仰に、小早川家の軍神祭が習合した祭事といわれる。小早川家の分家に当たる浦就昌(うらなりまさ)が、阿月の領主となった正保元年(1644)に始まったとされ、今年で373回を数える。

 祭りの朝、「神明様」と呼ばれる高さ20メートル余りの大鉾を模した御神体を、阿月地区の砂浜の東西2カ所に立てる「起し立て」が行われる。早朝から身を清めた白装束の若衆が、横になっていた御神体をハズ(張り綱)やカイゴ(はしご)で支えながら、ゆっくりと立ち上げていくさまは壮観で、祭りの見どころの一つだ。

 午後になると、地元の子どもたちによる「神明太鼓」の披露、若衆が町内を練り歩く「長持じょうげ」、そして御神体の周りで昼と夜の2回「神明踊り」が奉納される。夜の神明踊りの後、五穀豊穣や無病息災を願って御神体を燃やす「はやし方」は迫力満点だ。天を衝く勢いで燃え上がる御神体が海の方に倒され、若衆の手締めで、祭りは終了する。

●阿月神明祭
 <開催日>2017年2月11日
 <開催場所>山口県柳井市・東および西神明宮前の浜(山陽本線柳井駅からバス)
 <問>阿月公民館 ☎0820(27)0001
  URL:http://www.city-yanai.jp/soshiki/39/atsukishimmei.html
     http://www.yanaicci.or.jp/yanai/event/sinmei-f.html

 *情報は2016年12月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

◆「ひととき」2017年2月号より

 

 

 

 

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る