BBC News

2017年1月27日

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核技術の専門家たちは26日、地球上の安全保障の懸念悪化やドナルド・トランプ米大統領による発言を理由に、世界は昨年1年で「終末」にさらに近づいたと発表した。

米科学誌「核科学者紀要(BPA)」はワシントンで記者会見を開き、「終末時計」の針を30秒進め、終局を意味する「真夜中」まであと2分半だと表明した。過去2年間、終末時計は真夜中3分前で止まっていた。しかしBPAは、2017年に世界的破局が起きる可能性は一層高まったとして、針を30秒前に進めた。

BPAが時計の針を分単位ではなく30秒刻みで進めたのは、今回が初めて。トランプ氏が就任したばかりで閣僚候補の多くがまだ就任していないことが、針を1分ではなく30秒だけ進めた理由だという。

BPAは報告書で、気候変動を否定し、核軍拡を約束し、情報機関の信ぴょう性を否定してきたトランプ大統領の一連の発言が、世界的な危機の悪化に寄与したと指摘した。

「核兵器の使用と拡散に関するドナルド・トランプの気がかりな発言に加えて、気候変動に関する科学界の圧倒的な共通認識をトランプと閣僚候補数人が公然と疑っていること、さらには世界中で声高なナショナリズムが台頭していることなどが、理事会の決定に影響した」とBPAは説明した。

このほかにBPAは、イラン核合意の今後が不透明なこと、サイバーセキュリティーの脅威、偽ニュースの台頭などを懸念材料として挙げた。

終末時計が1947年に始まった時、針は真夜中7分前を指していた。それ以来、針が最も真夜中に近づいたのは、米ソの水爆実験後の1953年。その時は真夜中2分前だったが、今回はそれに次いで真夜中に迫った。

これまで最も長針が真夜中から遠ざかったのは、冷戦終結後の1991年。17分前まで引き戻されたが、その後は徐々に真夜中まで近づいていた。

「終末時計」の時間を決めるBPAは、マンハッタン計画で最初の原爆開発に参加した物理学者たちが、米シカゴ大を拠点に創刊。現在では、ノーベル受賞者15人を含むBPAの理事会が、世界中の物理学者や環境学者と協議の上、時計の針をどう動かすかを決めている。

(英語記事 Apocalypse is 30 seconds closer, say Doomsday Clock scientists

提供元:http://www.bbc.com/japanese/38766692

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