赤坂英一の野球丸

2017年2月1日

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 今年も2月1日からプロ野球12球団が一斉にキャンプインする。この時期、まず最初に気になるのが、宮崎でスタートする巨人キャンプの観客の数だ。東京ドームでの主催試合の入場者数とは違い、チケットの売れ行きによって正確な数字が弾き出されているわけではないが、駐車場の車の台数、応援ツアーの参加人数、球場周辺に置かれた選手名鑑付きのチラシが何枚減ったかなど、様々なデータから球団広報部が割り出した数字が毎日発表される。これをチェックするのが、30年近いキャンプ取材で身に染みついた習慣なのだ。

(iStock)
 

 ちなみに昨年の巨人初日の観衆は5000人。巨人のキャンプ地・宮崎県運動総合公園から車で約30分の宮崎市生目の杜運動公園でキャンプを張るソフトバンクは、同じ日に6200人のファンを集めた。やはり九州では福岡を本拠地とするソフトバンクの人気が高い。が、一昨年は2月1日が日曜で、好天に恵まれたこともあり、巨人が大量2万4000人を動員。1万7200人のソフトバンクに、全国区球団の貫禄を見せつけた。私はこの年、両球団のファンの人数を自分の目で比較してみるべく、午前中は巨人、午後からソフトバンクへと、ロードバイクをこいで取材して回ったものである。

 さて、今年の巨人は初日からどれぐらいのファンを集められるか、例年とはまた違った理由で注目している。山口俊、森福允彦、陽岱鋼ら補強戦力の人気度が気になるからではない。今年は、昨年まで3年連続でキャンプに視察や指導にやってきた大物OB、臨時打撃コーチの松井秀喜氏がいないからだ。松井氏は14年に初めてキャンプに参加、自らフリー打撃の手本を示したり、慣れないノックで空振りしたり、様々なパフォーマンスで大いに観衆を沸かせた。翌15年は僅か2日間の視察のみで終わったが、高橋由伸監督就任1年目の16年は古巣の後輩に力を貸すべく、宮崎での全日程に滞在。松井氏がグラウンドやブルペンに姿を現すたび、歓声が上がり、スマホやデジカメのシャッター音が響き渡った。

 しかし、これが新監督の船出にふさわしい光景だったのか、個人的にはいささか疑問に感じたことも確か。若き由伸監督が誕生した最初のキャンプに、将来の監督候補ナンバーワンと言われ、親会社・読売新聞社のトップもあからさまにラブコールを送っている松井氏を招く必要があったのか。原辰徳前政権に代わる新体制をアピールするなら、松井氏にパフォーマンスを見せてもらうより、もっと由伸監督を前面に押し出した演出を企画したほうがよかったのでないか。本人がそういうことをやりたがるかどうかは別にして。

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