田部康喜のTV読本

2017年2月8日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 「カルテットドーナツホール(Quartet Doughnuts hole)」は、4人のメンバーがたまたま、同じカラオケビルでそれぞれが部屋を借りて、練習をしていたところ偶然に出会って生まれた。

 第1ヴァイオリンは巻真紀(松たか子)、第2ヴァイオリンが別府司(松田龍平)。チェロは世吹すずめ(満島ひかり)、ヴィオラが家森諭高(高橋一生)である。

 軽井沢にある別府の祖父の別荘で、4人は共同生活を始める。そして、ライブ・レストランの「ノクターン(Nocturne)」で演奏をすることになる。

 TBS「カルテット」(毎週火曜夜10時)である。

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演技力の高い4人の魅力

 4人の出会いと共同生活は、偶然だろうか。第1話(1月17日)のなかで、巻鏡子(もたいまさこ)が道行く、すずめ(満島)に声をかけて、真紀(松)の写真をみせながら「この人と友達になって欲しい」というのだった。それ以来、依頼主の鏡子とすずめは定期的に会って、すずめが真紀の様子を報告するのだった。

 いうまでもなく、松たか子と松田龍平、満島ひかり、高橋一生の4人は、日本を代表する中堅俳優である。映画「告白」(中島哲也監督・2010年)において、娘を殺された女教師役で生徒を追い詰めていく、松たか子の淡々としたなかに怒りを秘めた、セリフ回しは印象深い。

 満島ひかりもまた、高い演技力を評価される作品は数えきれない。ダメな夫に翻弄されながらも、娘とたくましく生きていこうとする「川の底からこんにちは」(石井裕也監督・同年)が記憶に残る。セリフを抑えながら、父親の遺骨を夫に投げつける、といった感情を爆発させる演技があった。

 「舟を編む」(同監督・2013年)において、松田龍平は辞書の編集者として静かな演技で、辞書が完成するまでの長い人生の持つ意味がにじみ出ている。

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