BBC News

2017年2月14日

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米ホワイトハウスは13日、政権幹部のマイケル・フリン大統領補佐官(国家安全保障担当)が辞任したと発表した。同氏に対しては、政権発足前にロシア当局者と対ロ制裁について協議した疑惑がかけらていた。

同氏は辞任理由について、ロシア当局と協議した内容について政権首脳に正確な説明をしなかったと説明した。

これに先立ち米国のメディア各社は、司法省が1月下旬にフリン氏とロシア政府との間の接触についてホワイトハウスに警告していたと報じた。司法省は、フリン氏がロシアから脅迫を受ける危険があると指摘したという。

野党・民主党の有力議員らはトランプ政権に対し、フリン氏の解任を求めていた。

米国では、民間人が外交政策に関与することが禁じられている。昨年末にフリン氏とロシア当局者との間で行われた電話協議の時点で、フリン氏は補佐官に指名されていなかった。

フリン氏は辞表の中で、「意図せずして、ロシア大使との複数の電話について不完全な情報を、次期副大統領などに伝えてしまった」と述べた。

ホワイトハウスが出した声明は、ジョセフ・キース・ケロッグ元陸軍中将が暫定的に補佐官を務めると明らかにした。

フリン氏は疑惑が持ち上がった当初、対ロ制裁についてロシアのセルゲイ・キスリャク駐米大使と協議したことを否定し、それを受けて、マイク・ペンス副大統領も疑惑を否定していた。

しかしその後、フリン氏はホワイトハウス首脳らに対し、協議した可能性があると説明した。

ロシア政府のドミトリー・ペスコフ大統領報道官は13日、記者団に対して、フリン氏とキスリャク大使は制裁解除について話し合っていないと述べた。

フリン氏は大統領選の最中からトランプ氏を熱心に支持し、トランプ氏だけでなく、スティーブ・バノン首席戦略官とも緊密な連携関係を築いている。イランに強硬政策を主張する一方で、ロシアには融和政策を提唱するなか、ロシア政府と距離が近すぎるのではないかと取り沙汰されてきた。


<解説>大統領は何を知っていたのか ――アンソニー・ザーチャー北米担当記者

大統領就任式から、スキャンダルが深刻化し政権幹部の辞任に至るまで、わずか24日間だった。どう考えても、これは何かの新記録だろう。

トランプ大統領がやることはいつも派手だ。どうせ政権が政治的危機に陥るなら、時間を無駄にしてどうする。

国家安全保障担当の大統領補佐官に、フリン氏が指名されたその日から、大統領選以前に始まり以降も続くロシアとの関係について、懸念が指摘されていた。

しかし、フリン氏の立場がガラガラと崩れ始めたのは、最近のことだ。対ロ制裁を含む内容をロシア大使と協議していたと明らかになったのがきっかけだった。そしてとどめの一撃は、13日の報道だった。オバマ政権の複数高官が1月の時点で、フリン氏とロシア大使の協議内容についてトランプ政権に警告していたと明らかになったからだ。

フリン氏は追いやられた。しかしそれだけでは問題は収束しない可能性がある。

連邦議会の民主党議員たちは、フリン氏の矛盾する説明について政権内の誰が知らされていたか、そしてなぜこれまで放置されてきたのか、知りたがるだろう。一部の共和党議員も同じかもしれない。

大統領をめぐる究極のスキャンダルといえばウォーターゲートだが、当時の表現を取り出して、埃をはらって、そしてまた使い始める人たちもいる。

つまり、大統領は何を知っていたのか、そしていつ知ったのか、と。


(英語記事 Michael Flynn: Trump's national security adviser quits

提供元:http://www.bbc.com/japanese/38965629

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