WEDGE REPORT

2017年2月22日

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伯川星矢 (はくがわせいや)

ライター

1992年11月16日生まれ。両親は日本人と香港人。香港で生まれ育ち18歳で来日。獨協大学外国語学部・交流文化学科卒。『香港バリケード――若者はなぜ立ち上がったのか』(明石書店)や『日本×香港×台湾 若者はあきらめない』(太田出版)などに著者・同時通訳として参加。

――希望が持てる香港。確かに、それがあれば香港に残り、闘い続ける糧になるでしょう。アグネスさんはどのような香港を望んでいますか?

周庭:これからの香港は自主的な場所にならないといけません。地方政府の自主性とその地方政府に住んでいる住民たちの自主性、そして国家全体の人権や民主主義が重んじられ、様々な権利が行使できる場所であること。今の香港といえば、最大の産業は政府と財団に支配されている商業と金融業で、その2つの産業もまた中国市場に依存している。食料や水も中国から供給しているし、農業用地は破壊され尽くされている。私たちは自主的な生活を送ることができず、社会全体が中国に依存しているのが現状です。

 私が訴える「民主」とは、自主的な街を作り、自分の生活を取り戻し、やがては自分の未来も自分で決められること、それが「自決」です。その第一歩が「自主」です、これができない限り、主権状態を変えようとしてもただの空想となってしまいます。だから今、私は香港に自主的な場所になって欲しいと考えており、私もそうなるために頑張っていきたいです。

日本の読者に伝えたいこと

――アグネスさんの香港に対する考えを聞き、香港人としての私も未来への希望を感じたような気がします。最後に、日本の読者に伝えたいことはありますか?

(写真・WATARU SATO)

周庭:私はあまり日本の政治事情に詳しい訳ではないですが、私にとって政治は生活の一部だと考えています。よく政治と聞くと拒否反応を起こす方がいます。「政治は複雑だ」、「政治は汚れている」、「政治は理解できない」など色々なことを聞くことがあります。理論ばかりで敬遠しがちですが、政治とはそれほど遠い存在ではないです。社会に不公平があった時、それが政治に触れるキッカケとなると私は考えます。

 社会運動とは社会に存在する不公平、あってはならない事件を正すことが目的であって、決してその中には金銭が絡むことなく、ただ純粋により良い社会を目指して進むだけです。私は中学4年生(高校1年)で、初めて社会の問題を目の当たりにし、選挙権がない未成年だった私は、デモに参加して社会に対する不満をぶつけました。そして社会の変革を心から望みました。

 私はこれからも香港で頑張ります。日本の皆さんには、私たちを反中国勢力としてではなく、香港社会のために頑張る若者として見守って下されば幸いです。

  
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