WEDGE REPORT

2017年2月16日

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「暗殺組」の極秘オペレーション

 しかし、金正恩はそうは見なかった。偵察総局「暗殺組」には、金正恩からの親筆命令が与えられ、亡命政府樹立までに金正男氏を殺害することが至上命題となった。

 金正男氏は家族と暮らすマカオを拠点として、東南アジアを飛び回って金融や不動産取引を行なっている。だが、同氏の身辺警護を行う中国機関の目が届く、マカオや香港で殺害することはできない。同氏が頻繁に渡航し、かつ、北朝鮮国籍者がビザなし渡航できるマレーシアでなら、チャンスはある。クアラルンプールには東南アジア最大規模の北朝鮮大使館があり、偵察総局が活動拠点とする北朝鮮レストランや合営企業も存在するため、作戦支援を受けることも可能だーー。

 「暗殺組」のリーダーは、このような思考で暗殺計画を練ったのではないか。そして、2月13日に決行した、というのが極秘オペレーションの全容だろう。公衆の面前で暗殺したのは、亡命政府樹立を目指す脱北者たちに恐怖のメッセージを送ったのだと考えることもできる。

 金正恩は、「光明星節」と名付けられた金正日の誕生日に祖父と父の遺体が安置されている錦繍山太陽宮殿を参拝する。血で血を洗う政治闘争を繰り広げてきた祖父と父でさえ行わなかった“兄弟殺し”をした息子に対して、草葉の陰から何を思うのであろうか。

  
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