BBC News

2017年2月16日

»著者プロフィール

北大西洋条約機構(NATO)の国防相理事会に初参加したジェームズ・マティス米国防長官は15日、NATO加盟国が負担を増やさなければ「関与を弱める」と述べた。

マティス長官の発言は、加盟国の軍事費を国内総生産(GDP)比2%の目標値に達するよう求めるドナルド・トランプ大統領の方針に沿ったもの。

マティス国防長官は先に、NATOについて「根本的な基盤」と称賛している。

準備された原稿によるとマティス長官はNATOに対し、「西側の価値観を守るにあたって、米国の納税者が不釣り合いな負担を担い続けることはできない」と述べた。「皆さんの子どもたちの将来の安全を、我々が皆さん以上に守ってあげることはできない」とも付け足した。

専門家らは、軍事費負担が目標額に届かない国に対する米高官の言葉としては、近年になく厳しいものだったと指摘した。マティス長官は、たとえゆっくりとであっても負担額を増やす計画を加盟国が実施し、今年中に具体的な改善を見せなくてはならないと釘を刺した。

GDP比の軍事費で現在目標値に達しているのは、加盟27カ国のうち米国、英国、エストニア、ギリシャ、ポーランドのみだが、ほかの加盟国も比率を上げつつある。

マティス国防長官は、「米国は責任を果たす。しかしこの同盟について米国の関与後退を望まないなら、同盟の共通防衛体制を支持していると、各国政府が明示する必要がある」と述べた。

マティス氏はさらに、共通防衛への投資は非常に重要だとし、ロシアによるクリミア併合や、トルコの南に国境を接するシリアやイラクで台頭する過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)など、2014年以降に生じた脅威を挙げた。

NATOのストルテンベルグ事務総長は、加盟国がすでに負担を引き上げていると語った。

英国のマイケル・ファロン国防相は、加盟国に対し、GDP比2%の目標を達成できなくても国防費を引き上げるべきだと述べた。「我々が約束してほしいと求めている毎年の増加だけでも、少なくとも誠意を示すことができる」。

ベルギー・ブリュッセルのNATO本部で開かれた国防相理事会は、マイケル・フリン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が辞任し、トランプ政権とロシア政府とのつながりをめぐる懸念が高まるなかで行われた。

トランプ大統領は昨年の大統領選で、NATOで「応分の負担」をしない同盟国を、米国は守らないかもしれないと語り、欧州各国の懸念を呼んでいた。特にロシアと国境を接する国が強く反応した。

トランプ氏はNATOを「時代遅れ」と呼んだこともある。

しかし、マティス国防長官はNATOへの強い支持を表明し、安全保障上の課題に対応する同盟の力を称賛し、「この同盟は米国と大西洋対岸の諸国にとって根本的な基盤であり、共に強く結びつけている」と語った。

(英語記事 Trump defence chief Mattis threatens less commitment to Nato

提供元:http://www.bbc.com/japanese/38989133

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る