BBC News

2017年2月21日

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カンボジアで新作映画の試写会を行った女優アンジェリーナ・ジョリーさんがこのほど、カンボジアがいかにして彼女を「目覚めさせてくれたか」かについて語った。

ジョリーさんは、クメール・ルージュによる大量虐殺を子供の目線から描いた実話を基にした映画「ファースト・ゼイ・キルド・マイ・ファーザー(最初に父が殺された)」の試写会を前に、BBCの独占インタビューに応じた。

また、自身が監督を務めたこの作品が、カンボジアの人たちがこの時代に受けた心の傷についてもっと堂々と話せるようになるための手助けとなるよう願っている、と話した。

共産主義を掲げたクメール・ルージュ(旧ポル・ポト政権)の下で200万人が殺された。

現在、国連難民機関の特使を務めるジョリーさんは、2001年にヒットした映画「トゥームレイダー」の撮影で、初めてカンボジアを訪れた。

後に長男のマドックス君をカンボジアから養子に迎えている。

「この国に来て、この国の人を大好きになり、この国の歴史を学びました。そうするうちに、自分がいかに世界のことを実はあまり知らないかを思い知りました」とジョリーさんはBBCのヤルダ・ハキム記者に語った。

「私はいつも、この国にとても感謝しています。この国が私に与えてくれただけのことを私がお返しできるなんて到底思えない」

「きちんと理解されていない」

「ファースト・ゼイ・キルド・マイ・ファーザー」は、ルオン・ウンさんによる同名書籍(邦訳は「最初に父が殺された―飢餓と虐殺の恐怖を越えて」)に基づいている。

ウン氏は5歳の時、クメール・ルージュにより首都プノンペンから家族とともに家を追われた。クメール・ルージュは、1975年から1979年までカンボジアを統治した。

カンボジアの人口4分の1程度にあたる約200万人が、クメール・ルージュにより殺害されたり、飢餓と過労で亡くなったとみられている。

映画で主に使用されている言語は、現地のクメール語だ。ジョリーさんは、カンボジアでの出来事を広く世界にもっと知ってもらいたいと考える一方で、この作品がカンボジア国内にも影響を与えられれば、と願っていると話した。

「この国の人たちがもっと話せるよう力になることを願っています」とジョリーさんは話す。生存者の多くは、「自分の子供たちに自らの経験を話していない」からだ。

「辛い時」

ネットフリックスが制作した今回の映画のワールド・プレミアは18日、シェム・リアップにある寺院群アンコールワット内で行われた。ここは、「トゥームレイダー」の一部が撮影された場所でもある。

プレミアには、ジョリーさんとジョリーさんの子供たち6人の他に、カンボジアのノロドム・シハモニ国王が出席した。国王は2005年、ジョリーさんがカンボジアに設立した環境基金での功績を認め、カンボジアの市民権を付与している。

昨年9月に性格の不一致を理由にブラッド・ピットさんとの離婚を申し立てて以来、ジョリーさんが主要な公の場に姿を見せるのは、今回のプレミアが初めてとなった。

夫妻が付き合い始めたのは2004年だったが、結婚は2014年8月にしたばかりだった。

「とても辛かった」とジョリーさんは言った。「この状況に陥る人は多い。私の家族全員が、辛い時を過ごしました。私は自分の子供たち、私たちの子供たちを中心に考えています」。

はっきりと主張

ジョリーさんは最近、ドナルド・トランプ米大統領の移民政策に対する反応として、恐怖ではなく事実に基づき判断するよう米国民に訴える文章をニューヨーク・タイムズに寄稿した。

ジョリーさんはトランプ氏について具体的に話すことには消極的だったものの、「米国民は、どの大統領よりも大きな存在です。私は自分の国を、米国建国の理念を、そして私たち国民が大切にしている価値観を、信じているんだと思います」と話した。「私たちが耳にする話の多くは、恐怖や憎悪を拡散したり、人を人種や見識で分断したりするのは、米国らしくないという感覚に基づいていると思います」

「今のこの時期に、世界中の人たちが、自分たちの自由権や人権、そして自分たちの考えについてはっきりと主張し始めているというのは、素晴らしいと私は思います。米国では、『これは米国らしくない、これは違憲だと思う。そしてこれが私なんだ』などと、人々が言っています」

(英語記事 Angelina Jolie on Cambodia, politics and a 'difficult year'

提供元:http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-39025677

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