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2017年2月22日

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米国土安全保障省(DHS)は21日、不法移民の取り締まり強化に向けた指針を発表した。強制送還の対象に交通違反や万引きなどの軽犯罪まで範囲を広げるほか、摘発にあたる当局などを増員する。

新たな指針は法改正を必要とせず、現在の制度のより厳しい適用を目指す。米国には約1100万人の不法移民がいると推計されている。

ホワイトハウスのショーン・スパイサー報道官は21日、新指針は法執行を後押しすることが目的で、大量の強制送還にはつながらないと述べた。

スパイサー報道官は、「大統領は、政府機関の職員たちにかけられた足かせを外したいと考えている」と語った。「ホワイトハウスと国土安全保障省が伝えたいのは、この国にいて、我々の安全を脅かし、犯罪を犯した人間がまず追い出される、ということだ」。

オバマ前政権時代とどう違うのか

国土安全保障省は、入国時に子どもだった移民を保護するオバマ前政権時代の措置を維持する。「ドリーマー」と呼ばれる該当者は約75万人。

しかし、重犯罪者や国家安全保障への脅威とみなされた人物、不法入国から間もない場合を中心とした、前政権の制限された運用よりも、幅広く適用されることになる。

DHSの指針によると、「ドリーマー」の例外措置は維持されるものの、トランプ政権は実質的に、ほぼすべての不法移民を全米から強制送還することを「優先する」としており、オバマ前政権の政策から大きく変化する。

新指針の執行には予算と人員増が必要になるため、トランプ政権は連邦議会に予算の割り当てを求め、大量採用を行う。同時に、州や地方の法執行官が不法移民を逮捕できるようにする。

オバマ前政権でも、積極的に不法移民の取り締まりが行われ、強制送還が増加した地域や時期があったものの、厳しい対応を避けた場面もあった。一方、トランプ政権は、米国全土での取り締まりを強化する。

新指針の下、税関・国境警備局(CBP)や移民税関捜査局(ICE)は即時に強制送還ができるようになる。

オバマ前政権時は、入国14日以内で国境から100マイル(約160キロ)以内にいた場合に即時の強制送還が可能だった。新指針では、米国のどこにいても、入国から2年以上たっていることを証明できなければ、即時送還の対象になる。

DHSは、移民税関捜査局を1万人、国境警備隊を5000人増員する計画。ジョン・ケリー国土安全保障長官は指針の中で、「南側の国境における不法移民の大幅増に連邦当局や資源が対応できなくなっており、米国に大きな安全保障の脅威となっている」と述べた。

(英語記事 Trump administration widens net for immigrant deportation

提供元:http://www.bbc.com/japanese/39048513

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