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2017年2月23日

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ジェームズ・ギャラガー科学ヘルス担当記者

韓国の女性が世界で初めて、平均寿命で90歳を超えるとみられることがこのほど調査で明らかになった。

英インペリアル・コレッジ・ロンドンと世界保健機関(WHO)が先進国35カ国の寿命を分析した。

調査では、2030年には人はより長生きするようになり、寿命の男女差はほとんどの国で縮み始めるだろうと予測している。

研究者らは、調査結果が、年金や高齢者の介護に大きな課題を提起すると述べている。

マジド・エッザティ教授はBBCに対し、「韓国は多くの点でうまくやっている」と話した。

「どうやら韓国はより平等な国のようで、教育や栄養といった、人々に恩恵を与えてきたものから、ほとんどの人が恩恵を受けてきた」

「そして今のところ、韓国人は高血圧にうまく対処している上、肥満の比率は世界で最低水準だ」

データはまた、かつて長寿大国だった日本が、世界ランキングで大きく順位を落とすと予測している。

日本は現在、女性の寿命が世界最長寿となっているが、調査によると韓国とフランスのいずれにも抜かれるという。一方で男性の寿命は、現在世界第4位だが、今回の調査対象国の中では11位になる見込みだ。

米国は後退

米国もあまり芳しくなく、2030年までに、裕福な国の中で最も短い平均寿命となりそうだ。

調査では、平均寿命は男性80歳、女性83歳になると予測しており、これはメキシコやクロアチアが到達するとみられるのとほぼ同水準となる。

「米国は韓国とほぼ逆」とエッザティ教授は加えた。

「(米国社会は)国全体の平均寿命が影響を受けるほど非常に不平等で、国民皆保険制度がない唯一の国でもある」

「さらに、身長の伸びが最初に止まった国でもあり、それはつまり幼年期の栄養について何かを物語っている」

米国はチリに抜かされる見込みで、チリは2030年に生まれた人の平均寿命が女性で87歳、男性で81歳になるとみられている。

2015年から2030年の間、英国の平均寿命は男性が79歳から82歳へ、女性が83歳から85歳へ、それぞれ伸びるとみられている。

男性が女性の平均余命に近付く

英医学誌「ランセット」に掲載されたこの調査はまた、平均寿命における男女差が縮んでいることを示している。

エッザティ教授は、「昔から男性の生活スタイルはより不健康であるため、寿命がより短くなる」と説明した。

「男性の方が喫煙や飲酒をしたし、交通事故や殺人も多かった。しかし生活スタイルが男女共近いものになるにつれ、平均寿命も同様に近くなる」

平均寿命が長くなる理由の多くは、幼年期の死亡件数の減少というより、65歳以上の人たちの生活の改善によるものだ。

今回の調査は、気象学者が天気予報で使用するのと似た方法で予測を行った。

将来を予測するために、それぞれ異なる21種類の数学モデルを組み合わせ、過去の傾向を分析した。

この方法だと、喫煙率、医療面での進展度、肥満のパターンといった、平均寿命に影響するさまざまな要素をすべて間接的に考慮できる。

この調査は、各国が今のまま進展することを前提としている。そのため、「ソビエト連邦の崩壊」や「全種類のがんに効くワクチンのような大発見」に相当するような、例外的で予測不能な出来事があった場合は、予測が大きく変わる可能性がある。

まとめると、エッザティ教授は「平均寿命が長い国は、医療制度に投資して、それが確実に全員に行き渡るようにしている」と述べている。

(英語記事 Life expectancy to break 90 barrier by 2030

提供元:http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-39060744

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