2024年4月19日(金)

前向き女性になれる やわらかライフ&やわらかマネー

2017年3月3日

結婚式は人生初の大きな買い物

 ただでさえ、それまで赤の他人だったふたりが家族になり、それぞれの実家が姻族関係になろうとすると、ありとあらゆる面で価値観の違いに直面します。そんなとき、「結婚式の主役は花嫁だから」と、新婦に裁量権をゆだねるケースもあれば、「結婚は家と家の問題だから」と、どちらか、あるいは双方の実家の流儀に従うケースもあります。ここで誰の意見を尊重するかによって、その後の結婚生活の力関係が方向づけられることもあります。たかが1日で終わってしまう結婚式と侮れません。

 結婚式にかかわる決めごとを話し合う上では、誰がお金を払うのかも決めなければなりません。先ほどの調査では、ご祝儀などからの収入は平均232.3万円で、カップルの自己負担額は143.2万円となっています。また、親・親族から援助を受ける人は72.6%おり、その平均は166.9万円です。ご祝儀や援助があってもなお、結婚でかかるお金はお付き合いをしていたときには払ったことがない規模でしょう。結婚生活の始まりは、人生でも最も高い買い物のひとつを、赤の他人と一緒にすることでもあるのです。

 ところが、日本では人前でお金の話をするのはあまり良しとされていません。家族ですら込み入ったお金の話をしない人が多いですから、まじめにお金のことを話し合うのは結婚相手が初めてになるでしょう。そこでいきなり数十万円、数百万円単位の話をしなければならないのですから大変です。お金のことで折り合いがつかず、残念ながら結婚に至らずして別れてしまうカップルもいますが、無理もありません。

いくらあれば結婚できる? ではなく、いくら使うつもりか? が大事

 では、円満に結婚するにはどうすればよいのでしょうか?

 よく、「結婚するにはいくらあればよいですか?」と質問されることがあります。カップルの多くは、結婚するとなったら挙式や披露宴にかかる費用を入念にリサーチして、計画的にお金を貯めようとします。

 しかし実は、幸せな結婚のためにはお金をいくら「もっているか?」よりも、いくら「使うつもりか?」のほうが大事です。結婚のお金でトラブルになる理由の多くが、「自分はそんなに出したくなかったのに、相手に負担させられた」というものです。納得のいかないことに高額なお金を出すこと、そしてそれを自分の独身時代からの貯蓄から出すとなると、その不満は後々まで消えません。結婚後10年以上経ってから離婚するカップルでも、財産分与のときに挙式費用の負担を蒸し返すことは珍しくありません。


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