BBC News

2017年3月3日

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ジェフ・セッションズ米司法長官は2日、ロシアがサイバー攻撃などで昨年の大統領選挙の結果に影響を及ぼそうとした疑いについての連邦捜査局(FBI)の捜査に関与しないと表明した。

セッションズ氏は、司法長官指名を受け今年1月に行われた上院の公聴会で、「ロシア人たちと連絡は取っていない」と述べたことについて、虚偽ではなかったと語った。

しかし、セッションズ氏が昨年の大統領選期間中にロシアのセルゲイ・キスリャク駐米大使と会っていたことが判明し、野党・民主党議員らはセッションズ氏の長官辞任を求めている。

ドナルド・トランプ米大統領とロシアとのつながりをめぐる疑惑は、政権にずっと付きまとってきた。


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セッションズ氏はワシントンの司法省内で会見し、「現在かつ将来にわたり、合衆国の大統領選挙に多少なりとも関連する、いかなる捜査にも関与しないと決めた」と発表した。

セッションズ氏は公聴会での発言について、「当時理解していた範囲で、正直かつ正確だった」と語った。

1月10日に開かれた公聴会で、「もしトランプ氏の選挙運動に関与した誰かが、今回の選挙期間中にロシア政府と連絡を取っていた証拠がわずかでもあった場合、あなたはどうするか」と質問されたセッションズ氏は、「そのような行動があったとは承知していない。私はあの大統領選で1度か2度、(トランプ氏の)代理と呼ばれたことは何度かあったが、ロシア人たちと連絡は取っていない。またこれについてコメントはできない」と答えていた。

しかし、セッションズ氏は昨年9月に議員事務所でロシアのキスリャク大使と非公開に会談したほか、夏にはキスリャク大使を含む何人かの大使との会合に出席していた。

当時、アラバマ州選出の上院議員を務めていたセッションズ氏は、2016年に25人の外国大使と会っている。

セッションズ氏とキスリャク大使が会談したタイミングは、セッションズ氏がトランプ氏の選挙運動で主要な役割を果たし(いわゆる「代理」と呼ばれ)、米国内でロシアが大統領選に介入しているとの疑惑が広がっていた時期と重なる。

国家安全保障担当の大統領補佐官だったマイケル・フリン氏が先月解任された際にも、キスリャク大使との接触が問題となった。

フリン氏は、就任前に民間人の立場で大使と対ロ制裁について協議した疑いが浮上した際、政権内での説明が誤解を招く内容だったとして解任された。

セッションズ氏は大使と何を協議したのか

2日の記者会見でセッションズ氏は、上院議員として面会したのであって、トランプ氏の支援者としてではないと述べた。セッションズ氏は、「トランプ氏の選挙運動について、ロシアの当局者や仲介者と面会したことは全くない」と語った。

セッションズ氏は、大使との会談では1991年にキリスト教団体とロシアを訪問した際のことを話したと説明した。

会談ではさらに、テロリズムについて話し、「なぜかウクライナの話題が出た」という。

司法省は、セッションズ氏が上院軍事委員会の委員としてキスリャク大使と会ったと説明した。

外国の大使らと会うのは通常、軍事委員会ではなく、外交委員会の委員であることが多い。

トランプ大統領の反応

2日にバージニア州で建造中の空母ジェラルド・フォードを訪れたトランプ大統領は、セッションズ氏を「完全に信用している」とした上で、セッションズ氏が昨年ロシア大使と2回会っていたのは知らなかったと述べた。

FBIを管轄下に置く司法長官がFBIの捜査に関与しないという対応をすべきか、との質問を受けたトランプ大統領は、「そうは思わない」と答えた。

さらに、セッションズ氏が上院公聴会で真実を述べていたと思うかと問われると、「多分そうだろう」と述べた。

米情報機関は、民主党候補だったヒラリー・クリントン元国務長官にトランプ氏が勝つのを助ける目的で、ロシアが民主党関係者などをサイバー攻撃したと考えている。

トランプ氏は、選挙運動の関係者がロシアの情報機関と接触していたとの疑惑をめぐる報道は、「偽ニュース」だと呼んでいる。

連邦議会の反応

民主党議員らは勢いづいており、セッションズ氏がFBI捜査に関与しないと表明した後も批判を緩めていない。

下院民主党トップのナンシー・ペロシ院内総務は、「(セッションズ氏の)限定的な不干渉や偽証に対する情けない言い訳」では全く不十分だとして、あらためて辞任を要求した。

下院情報委員会で民主党議員を率いるアダム・シフ氏は、セッションズ氏が上院を「明らかに欺いた」として、辞任するよう求めた。

共和党内でも、ロブ・ポートマン議員(オハイオ州選出)、マーコ・ルビオ議員(フロリダ州選出)、リンジー・グレアム議員(サウルカロライナ州選出)など複数の上院議員、ならびに複数の下院議員から、セッションズ氏が捜査から身を引くべきだとする声が出ている。

偽証罪に問われることはあるのか

偽証罪を問うには検察が、セッションズ氏が虚偽の発言をしたというだけでなく、議論の余地のない確実な事実について意図的に上院の委員たちを欺いたと示す必要がある。

セッションズ氏は2日の会見で、公聴会での発言は質問に答えたまでで、上院議員としての外交的なやり取りではなく、選挙運動についての質問だったと思っていたと強く主張した。

下院の顧問弁護士を務めた経験があり、現在ワシントンで弁護士活動するスタンリー・ブランド氏は、「(議員らの)質問は厳密を極めたものでないことが多い。宣誓供述や大陪審でプロの検察官が質問しているわけではない」と指摘した。

セッションズ氏は上院議員だった1999年当時、ビル・クリントン大統領がモニカ・ルインスキー氏との関係について大陪審で偽証した疑いがかけられた際に、偽証罪で大統領を罷免するかどうかを問う投票で賛成票を投じていた。

(英語記事 US Attorney General Jeff Sessions quits Russia probe

提供元:http://www.bbc.com/japanese/39149772

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