2024年4月20日(土)

赤坂英一の野球丸

2017年3月8日

 読売グループの元幹部社員も振り返る。

 「あのころ考えられていた築地の新球場は、天然芝で5万人収容、イメージとしては広島のマツダスタジアムに近かった。なぜドームじゃなく、天然芝にするのかというと、松井秀喜に監督として戻ってきてもらいたかったからさ。松井が現役時代、東京ドームの人工芝を批判していたのは有名な話。あの外野を走り回っていてヒザを痛めたことも、巨人への復帰を前向きに考えられない一因だろう」

小池都知事は野球に興味があるのか?

 東京都としても、築地に巨人の本拠地球場ができれば様々なメリットが生じる。築地で巨人戦が行われれば、試合後に球場から出てきたファンが、汐留、新橋、そしてもちろん銀座へドッと繰り出すのは確実。周辺地域を活性化させ、大きな経済効果をもたらすことも十分期待できる。オリンピックが行われたあと、様々な競技施設が不良債権化することが問題視されているが、オリンピック用の新球場を巨人が買い上げれば、将来も金を生むスタジアムになる可能性もあった、はずだ。

 いまとなってはすべて〝絵に描いた餅〟である。ただ、石原都知事時代、そういう夢のある話が取り沙汰されていたことはしっかりと記しておきたい。市場移転問題がどう決着するのかはわからないが、もし築地の跡地に巨人の本拠地球場ができれば、巨人ファンにも相手球団のファンにもいろいろな楽しみが増える。近い将来、小池現都知事にはぜひご検討いただきたいものだが、はて、あの人は野球に興味はあるんだろうか……?

  
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