伝える力・伝わる仕組みできてますか?

2017年3月16日

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加藤利彦 (かとう・としひこ)

グッドマネジメント総合研究所代表

株式会社 EC studio(現:ChatWork株式会社)に創業メンバーとして参画。中小企業に向けたIT活用の支援を累計1,000社以上に実施。2007年に人事担当役員(常務取締役)に就任。2008年と2009年に2年連続で〔株〕リンクアンドモチベーションによる組織診断で「日本一社員満足度が高い会社」に認定される。その実績をもとに2011年4月、株式会社グッドマネジメント総合研究所を設立。同社代表取締役に就任。HRM(Human Resource Management)とIT(Information Technology)を通して、従業員意識調査による組織分析、組織力の強化、社内教育、組織内の情報共有など、総合的に経営を支援する事業を展開している。

 情報の伝達というのは、どちらの会社でも課題として上がってきます。様々な工夫をしても、どうも上手くいかないという悩みがあるのではないでしょうか。今回は、社長の伝達力の現状と具体的な施策を考えてみましょう。私は経営者になる前、組織のマネジメントを担当していました。その頃を振り返ってみると部下とのコミュニケーションが上手くいかない時期がありました。

(iStock)
 

 皆さんにも下記のようなことが当てはまることはありませんか?

 《悪かった点は7つ》

  • 伝わっているだろうと思っていたら、伝わっていなかった
  • 情報が足りていないまま指示を出してしまっていた
  • 管理職を飛び越えて指示を出してしまっていた
  • 頭ごなしに伝えてしまう
  • 部下が自分で考える余地が無いレベルの詳細まで、指示や提案をしてしまう
  • 部下のことを「こういう人」と決めつけてしまう
  • 0か1か、黒か白か、極端な振れ幅でしか情報を伝えていなかった

《良かった点は3つ》

  • コミュニケーション頻度自体は積極的に作っていた
  • 向かいたい先(ビジョン)については明確に訴えていた
  • 伝えたいことに根拠を付けて伝えていた

 弊社では組織診断という組織の健康状態を数値化する仕事をしていますが、企業規模50名前後の中小企業で、起こりがちな社長の伝達力に関する問題と症状をあげてみました。

社長の伝達力に関する問題点

1.直接伝える時間がない。

 従業員数も増え、社内コミュニケーションが察知できない範囲で増え、予想外のトラブルも増える。原因を調べようと社員の話を聞いてみると、意図しない情報が伝わっている。組織的な課題が増えているが、直接の社員とのコミュニケーションにもすでに限界が来ている。

 「課題のあるコミュニケーションはどこか」、という人事担当者向けのアンケートでは、51%の方が「経営層と社員」と答えています。それだけ対面の機会が限られてきている影響の大きさが伺えます(※HR総研「2016年、社内コミュニケーションに関するアンケート」n=229社の人事担当者)。

2.情報の透明性に問題がある。

 《伝達する内容の5W1H》

 「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」

 について、社員からすると、数値的なことも含め、本当のことなのか?何か足りてないのでは? という、情報の透明性について、現場が不安で消極的になっている状態が見受けられる。

 仕事の効率化につながると思うことは何ですか?というアンケートでは、54%の方が「情報指示の明確化」と答えています。情報指示の不明確さに課題を感じ、効率的に働けていない状態が伺えます(※エンジャパン「2015年、仕事の効率化アンケート」n=1023)。

3.ミドルマネジメントの育成が追いついていない。

 ミドルマネジメントの育成がカギということは明確にわかっていても価値観、判断レベル、知識、業務など、様々な部分での一致やバランスが必要で、一筋縄ではいかないのが現実。とはいえ、ミドルマネジメントを越えて社員に指示を出していたら、余計に組織は混乱し、いつまで経っても課題解決につながらない。

 「人材育成上の課題」、という人事担当者向けのアンケートでは、74%の方が「管理職の能力向上」と答えています。4社に3社は、この課題を持っていることになります(※HR総研「2013年、人材育成に関するアンケート調査」n=305社の人事担当者)。

では、良い伝達力とはどういう事なのでしょうか?

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