したたか者の流儀

2017年3月18日

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パスカル・ヤン (Pascal Yan)

著述家

著述家。ルーヴァン・カトリック大学大学院中退(ベルギー)。証券マンとして25年間、欧州を中心に海外で過ごす。現在の職業は都内大学教授。

 

 年明け以降、トランプ、東芝、金正男のお陰でメディアは潤っているようだ。特に米国では反トランプを高らかに謳っている新聞大手はむしろ特需でこっそり笑んでいると聞いた。我が国と同様、落ちていた紙新聞の購読者数も底打ちから回復基調になっていそうだ。これは確認してみてほしい。お騒がせは、お金になるということだろう。

(iStock)
 

 トランプ発言は燃え盛るストーブに薪をくべている構図ということになる。ネットの世界ではアクセスが増えて炎上という言葉があるが、紙媒体で部数が増えるのは炎上とはいわず、むしろ大入りのご祝儀がでるはなしだ。

 TPPではないが、TRUMP・TOSHIBA・PYONGYANGは、新手のTTPとして当分続く三題噺になりそうな気もする。遙か異国からよくわからないことを語ると差し障りがあるので控えるが、TOSHIBAは地元なので一言。

 落ちた犬は打てということで、メデイアは東芝に対して舌鋒鋭く、それも我先に追求しているので逆に対立軸を立ててみたくなる。学級会で悪い子のつるし上げの様相を呈しているので、ここで助け船を一艘。ただし特に東芝には恩義もないし世話にもなっていない。敢えていえば、白地にToshibaとプリントされた電気釜のお陰で焦げご飯が減ったことと、日曜日の夕方のサザエさんが国民的番組として多くの人に楽しみを提供していたことぐらいか。

 東芝は元を探れば“からくり儀右衛門”にたどり着く伝統ある会社だ。儀右衛門は東洋のエジソンといわれるようで、GEの源流トーマス・エジソンと対応できる。ここで、もう一人学級文庫のスター、マリ・キュリーが絡んでくる。思い出してほしい。学級文庫にエジソンとキュリー夫人が二人並んでいた。今回の件と同様だ。

 原子力というパンドラの箱を開けてしまったのがキュリー夫人だとすれば、自信をもって平和利用をしているのもフランスであろう。100年まえの夫人のノートからも放射能が出ているそうで、防護服を着なければ当時の実験ノートどころか彼女の料理レシピのメモも触れないとのこと。

 とはいえ、おかげでフランスは日本の半分の経済規模ながら日本以上の原発を抱えているのも創業家としての意地であろうか。

 3.11の事故では、サルコジ大統領自らが除染に関しての協力を申し出ている。もちろん有料だ。100%原発でまかなうのも可能な世界一の電力会社フランス電力(EDF)ともに、原子力企業AREVA(アレバ)を念頭においての発言と思われる。

 日本ではなじみがないがAREVAは、フランスの原子力企業が統合されて2001年に設立された準国営企業でウラン採掘から原発の建設、使用済み燃料の再処理なども含め世界一位の原子力一貫企業だ。ちなみに青森県六カ所村はアレバの一部でもある。

 アレバは意味を持たない表音語だが、日本語からヒントを得ていると、辣腕の女性社長だったアンヌ・ロヴェルジョンから直接聞いたことがある。敢えていえば、ドコモと同じノリということか。アレバは、フランス電力の原発58基を中心に100基以上を世界各地に納入している。

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