WEDGE REPORT

2017年3月21日

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──実際にホテルを見てみると、フロントにいる女性と恐竜のロボットはインパクトがあるが、あとはロボット掃除機のルンバのような一般家庭にあっても違和感のないロボットが多い印象を受けた。

澤田:実は開業前、どのロボットを導入するか決めるため、かなりの種類のロボットを使ってみたが、9割方は使えなかった。動かす場合は常に隣に人がいて「介護」しないといけなかったり、3時間でバッテリーが切れたりするなど、実戦向きではないロボットばかりであった。

 そもそもロボットに従業員が行っているすべての作業を担当させるのは無理だ。技術面でのハードルが高いうえ、コストがかかって採算がとれない。人が行う作業の7~8割をロボットに担わせ、残りを人がやる、という思想が重要で、この考えに基づいて運営すると従業員が10人必要なところを2~3人にすることができる。

フロントから客室まで荷物を運ぶポーターロボット

──ロボットの導入費用とメンテナンス費用は。

澤田:細かな数値は公表していないが、開業後ロボットを積極的に導入しているホテルだということが広まり、以降はメーカー側が「是非うちのロボットを使ってくれ」と無償で提供してくれる場合がほとんど。定期的なメンテナンス費用が必要なロボットはコストがかかるため、はじめから導入しておらず、丈夫で長持ちするロボットを使用している。

 例えば、ロボットの導入に500万~800万円ほどかかったとしても、これは従業員1人を1年雇ったらかかる人件費と同程度のため、単純計算で2年目以降は黒字となる。「変なホテル」では需要が多くある時期に無理に値下げすることはしない。閑散期には価格を下げるが、ロボットを使用すると低価格でも勝負できるため、閑散期でも利益は出やすい。損益分岐点などは企業秘密だが(笑)。

 「変なホテル」の売上高、利益などの数値は公表していないが、これまで経営的にも順調にきている。稼働率は閑散期でも80%超、繁忙期は満室状態が続いている。

実際に宿泊してみると、それほど「変」だとは感じなかった。「変なホテル」はハウステンボスに隣接した場所にある

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