2024年4月16日(火)

ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2017年3月22日

自信を持てるかどうかは結局本人次第?

 そこで今回と次回は、自信の育て方について考えてみましょう。

 いつも通り、ビジネスにおける人材育成の考え方や経験は、子育てともつながり合っているという視点で話を進めていきたいと思います。

 そもそもの話ですが、自信というものは周囲が育てるものでしょうか。

 自信とはまさに「自分を信じる」ということなんだから、結局は本人次第なんじゃないか。そう感じる方もいらっしゃると思います

 自分自身がこれまで努力出来てきた人、人一倍成果を上げてきた人など、いわゆる「できる人」は、どちらかというと「本人次第」と感じる傾向があるようです。

 また50代後半以上の方と20代30代の方とでは、「自信を持つ・持たせる」ということについての考え方にかなり開きがあります。

 日本全体がまだ成長していた時代に社会に出た世代の多くは、与えられた場で一心に打ち込めば報われるという体験を持っているようです。何をすればいいのかがはっきりしている場では、「出来るかできないか」は、「やるかやらないか」とほぼイコールの関係になりますから、やれば出来る。出来るから自信が増す、と分かりやすいのですね。

 「やれば成果が出るんだから、やればいいだけ。」と思える人にとっては、自信を持つかどうかは本人次第となるのは、むしろ当然です。

不確実な時代だからこそ「自信」に目が行く

 一方、日本が低成長期に入り、多様化と選別の時代に生きている世代は、何に取り組めばいいのかを探すところからスタートです。選択肢が多いとも言えますが、目の前のことに取り組んでいて大丈夫なのだろうか?という不安が常につきまとう時代でもあります。

 「やれば出来る」と言い切れない不確実さの中を一歩踏み出せるかどうかは、自信の有無が関わってきます。自信のなさが目に付くのは、それだけ日常的に自信の有無を問われる場面が増えているからかもしれません。

 子どもたちも同様です。学歴を追求していればよかった時代が過ぎ、教育の指針をどうとればいいのか大人たち自体が模索している現在では、「みんなと同じ」であることは子どもたちにとって安心にも力にもなりません。「個」としての自信を育て、「個」と「個」がつながりあって生きていく力が求められています。

 子どもの学習指導に関わって20年以上になりますが、親御さんたちの口から「子どもに自信を持たせたい」という声を聞くことが明らかに増えてきたことにも、時代の流れを感じています。


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