BBC News

2017年3月22日

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英政府は21日、中東などの6カ国から同国に向かう直行便でラップトップ・パソコンなど電子機器の機内持ち込みを禁止すると発表した。対象となるのはトルコ、レバノン、ヨルダン、エジプト、チュニジア、サウジアラビアの6カ国で、航空会社14社が影響を受ける。

発表の数時間前には、米国もテロ予防策として、スマートフォンよりも大きい電子機器の機内持ち込み禁止を決めた。対象となるのは、航空会社9社が運航する10の空港から米国に向かう直行便。

トルコ政府は米政府の決定について、間違っている、撤回されるべきだと批判した。

カナダのマーク・ガルノー運輸相は、カナダ政府も同様の規制を検討していると語った。

英政府の禁止策によって、同国航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)や格安航空イージージェットも影響を受ける。

米政府の措置で対象となるのは、ロイヤル・ヨルダン航空、エジプト航空、トルコ航空、サウジアラビア航空、クウェート航空、ロイヤル・エア・モロッコ、カタール航空、エミレーツ航空、エティハド航空の9社。

対象となる10の空港は以下の通り。

1. モロッコ・カサブランカ モハメッド5世国際空港

2. トルコ・イスタンブール アタチュルク空港

3. エジプト カイロ国際空港

4. ヨルダン・アンマン クイーンアリア国際空港

5. サウジアラビア・ジェッダ キング・アブドルアジズ国際空港

6. サウジアラビア・リヤド キング・ハーリド国際空港

7. クエート国際空港

8. カタール・ドーハ ハマド国際空港

9. アラブ首長国連邦 アブダビ国際空港

10. アラブ首長国連邦 ドバイ国際空港

米政府高官によると、今回の決定で名前が挙げられた航空会社は、今月25日の標準時午前7時(日本時間午後4時)までに禁止策への対応が求められている。終了時期は決められていないという。

しかし、エミレーツ航空の広報担当者はロイター通信に対し、政令は25日に発効し、10月14日まで有効だと同社は理解していると語った。

なぜ今なのか

BBCのフランク・ガードナー安全保障担当記者によると、今回の措置は「機密情報の検討」に基づいたものだと米政府は説明している。

これはつまり、米情報機関が過激派の計画について通信を傍受したか、もしくは情報提供者がいたことを意味する。

対象空港がある中東と北アフリカの国のほぼ全てが、米国と良好で緊密な関係を持っている。このため極端な策だという反発も、一部から予想される。例えば、資金豊富な湾岸諸国の企業幹部らは、米国行きの機内でラップトップを使った仕事ができなくなる。

しかしソマリアで昨年、イスラム過激派アルシャバブが首都モガディシュ発のフライトに爆発物が詰まったラップトップを持ち込み起爆させ、飛行機の胴体に穴をあけた事件が起きており、航空安全専門家らは懸念を強めていた。爆発が起きた飛行機はまだ高度をそれほど上げていなかったため、パイロットは安全に着陸させることができた。

米国土安全保障省は発表文書で、過去2年間にあった飛行機や空港への攻撃の事例を挙げた。

文書には、2015年10月に起きたエジプト上空を飛行していたロシアの航空機の墜落事故で、ソフトドリンクの缶などに隠された爆発物が使われていたことや、ソマリアで墜落はまぬがれたもの飛行機の胴体に穴があいた事件などが挙げられている。

同省は、「過去にテロリストらは、2001年には靴に爆発物を隠し、2006年には液体の爆発物を使い、2010年には爆発物をプリンターに仕込み、2009年と2012年には自爆装置を下着に入れたことがある」と述べた。

「収集された情報を検討した結果、爆発物をさまざまな消費者向け製品に隠して持ち込むなど、テロ集団は依然として商業航空を標的としていることが示された」

英政府の報道官は、「追加の安全策が乗客やフライトに多少の混乱を生じさせるかもしれないし、フラストレーションの原因になるのも理解している。しかし、我々が最も優先するのはいつも英国民の安全確保だ」と語った。

(英語記事 US and UK ban cabin laptops on some inbound flights

提供元:http://www.bbc.com/japanese/39348883

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