BBC News

2017年3月24日

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ドナルド・トランプ米大統領は23日、バラク・オバマ前大統領の主要な遺産(レガシー)とされる医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案の採決を24日中に行うよう、下院に要求した。

下院共和党が提出したアメリカ健康保険法案(AHCA)の採決は当初23日に予定されていたものの、与党・共和党の一部からも異論が出て延期された。

トランプ大統領は法案への支持を訴えてきたが、可決されない可能性があっても24日中に採決するよう求めている。

ミック・マルベイニー行政管理予算局(OMB)局長は、共和党議員らと23日に行った非公開の会合で政権の意向が伝えられたと述べた。

共和党指導部のポール・ライアン下院議長は、「この破綻した法律は崩壊しつつあり、米国民の期待に応えていないので撤廃し取り替えると、我々は7年半にわたり約束してきた。あす、我々は前に進む」と述べた。

一方、クリス・コリンズ下院議員(ニューヨーク州選出)は、「可決されようがされまいが、あす採決してほしいと大統領は語った」と話した。「もし何らかの理由で否決されたら、我々はただ、大統領が付け足す内容を推進させるだけだ」。

オバマケアの撤廃・代替は、昨年の大統領選でのトランプ氏の主な公約の一つだった。

23日に予定されていた採決が延期されたことは、同日までに必要な賛成票が得られると主張してきたトランプ大統領には打撃だ。

ワシントンで取材するBBCのローラ・ビッカー記者は、問題は共和党内で妥協が成立していないことだと指摘する。党の一部は代替案では改革が極端すぎると主張する一方、ほかの議員たちは改革が不十分だと反発している。

採決強行というトランプ氏の新戦略が、反対派議員らを賛成に回らせると期待されている。代替法案が成立しない限り、オバマケアが維持される。

しかし、戦略がうまくいく保証は全くないとビッカー記者は話す。

野党・民主党のナンシー・ペロシ下院院内総務は23日、トランプ大統領について「明らかに準備不足なのに、法案を採決にかけるという新人らしい過ちを犯した」と語った。

下院では少なくとも215票の賛成が必要だが、主に共和党の保守派が、オバマケアの撤廃として不十分とだとの理由から反対している。

2010年に成立したオバマケアは、新たに2000万人が医療保険を得るのを助けたものの、保険料が上昇したことへの反発が出ていた。保険料の高騰はオバマケア以前から問題となっていた。

トランプ大統領は代替法案で保険加入者がさらに増え、費用は引き下げられると約束している。

共和党が提出した代替案は、オバマケアの中でも国民に人気のある部分を維持するものの、メディケイド(低所得者向け医療保険)への連邦政府の将来の補助金は制限する。

議会予算局(CBO)が23日夕に新たに発表した試算によると、最近の追加修正で費用は増すものの、2026年には無保険者が2400万人に増えるという。

医師や病院の複数の団体が共和党の法案への反対を表明している。


新法案の概要

・メディケイドの縮小

・医療費の税控除を維持。しかし、オバマケアからは減額

・医療保険を契約していない人への罰金を廃止

・保険会社の高齢者の保険料引き上げを可能に

・非営利団体「プランド・ペアレントフッド」(家族計画連盟)への連邦補助金を1年間停止


(英語記事 US healthcare bill: Trump issues Friday vote ultimatum

提供元:http://www.bbc.com/japanese/39376732

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