BBC News

2017年3月27日

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イラク北部モスルで多数の市民が爆撃の犠牲になったとの報告に国連などが懸念を示している問題で、米軍主導の有志連合による17日の空爆が原因とする情報にイラク軍は、過激派勢力のいわゆる「イスラム国」(IS)が仕掛けた爆弾が原因だと反論している。

モスルはイラク国内に残るIS最後の拠点。ISはモスル東部を1月に追われており、さらに西側からもISを掃討しようと、イラク軍は26日にも、旧市街地などを中心に攻撃ヘリコプターなどを展開している。モスルで取材するBBCのジェレミー・ボウエン記者は「イラク軍がモスル進攻を停止したなどの情報は無視するように。続いている。ガンシップの銃撃を見た。ここ数時間の間に、活発な攻撃を耳にした」とツイートした

米政府は25日、「複数の民間人が死亡したとされる場所」での17日の空爆について、調査していると発表した。

モスル市民が大勢犠牲になったとされる空爆については、情報が錯綜している。市内西側のジャディデで1回ないしは数回の空爆により、住民100人以上が死亡したといわれているが、崩壊した建物から200人以上の遺体が引き出されたという情報もある。

しかしイラク軍は詳細な反論をフェイスブックに掲載。市民が犠牲になったのはジャディデではなく、レサラ地区で、原因は米軍主導の空爆ではなく、ISが建物に仕掛けた爆弾だと指摘している。

イラク軍によると、17日午前8時25分に、イラク軍の要請によって米軍主導の連合軍が空爆を実施。「爆撃されたといわれる」民家をイラク軍の専門家が調べたところ、「民家は完全に破壊されていたが、空爆による破壊だと示すものは何もなかった」という。

「仕掛け爆弾が爆発した大型車両が、住宅の近くで見つかった。がれきの下から、61人前後の遺体が回収された」とイラク軍は書いている。

イラク軍はさらに目撃情報として、市民が住んでいる建物にISが爆弾を仕掛け、そこを拠点に治安部隊に発砲している様子を説明している。

米中央軍司令本部は25日、「空爆データをひとまず点検」したところ、17日にモスル西部で空爆が実施されており、「複数の民間人が死亡したとされる場所」に一致すると発表。

同司令本部は、有志連合が「民間人が犠牲になったというあらゆる疑いを深刻に受けとめており、空爆に関する事実を判断するため、犠牲の有無を判断する正式な調査を開始した」と表明した。

(英語記事 Mosul offensive: Iraq denies air strike caused civilian deaths

提供元:http://www.bbc.com/japanese/39402204

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