2024年4月24日(水)

Wedge REPORT

2017年4月5日

所要時間14分の緊急駆けつけ

 「一昨年の春頃から使い始めました。体はまだ元気だけど、何かあったときにすぐに助けが来るという安心感があり、お守りのようなものです」

緊急ボタン付きのペンダントを首に下げて暮らす加藤さん。(写真・Wedge)

 そう話すのは、綜合警備保障(ALSOK)の緊急ボタン付きのペンダントを首から下げて暮らす加藤秀子さん(仮名、82歳、千葉県浦安市在住)だ。

 ALSOKは、高齢者支援事業として、全国約1700の自治体のうち、約500の自治体と提携し、緊急駆けつけサービスを提供している。定期的に訪問して見守りを行うサービスと異なり、急な助けが必要なときに警備員が駆けつけるのが特徴で、通報後、約14分(全国平均)で駆けつける。

 ボタンを押すだけで通報できる機器を家の中に取り付ける基本サービスに加え、加藤さんが使用しているような首から下げられるペンダントや、トイレのドアなどに機器を取り付け、一定時間動きがなかった場合に自動的にALSOKに通知がいくなどのオプションサービスもある。

写真を拡大 警備員を呼ぶ通報機器
(写真・Wedge)

 HOME ALSOK営業部企画課担当課長の羽生和人氏は、「急速な高齢化により、緊急駆けつけサービスの依頼をしてくる自治体は増えており、ここ数年では、年間約20自治体から依頼がある」と話す。

 ALSOKと提携する千葉県浦安市では、市が全額負担で緊急駆けつけサービスを独居高齢者や高齢夫婦の世帯を中心に提供している。16年度の利用者数は1000人弱で、申し込み件数は右肩上がりに伸びている。

 実際、昨年1年間で、浦安市における高齢者の緊急駆けつけ通報は239件あり、そのうち67人が救急搬送されている。

 このサービスに対する16年度の市の予算は約1900万円に上り、前年度決算より約150万円増額している。

 「高齢者の人口が増え続けていて、職員の力だけでは対応しきれない。どこに住んでいてもすぐに駆けつけてくれるサービスは、安心感が全く違う」と浦安市高齢者福祉課長の河野良江氏は話す。


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