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2017年3月28日

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ヘレン・ブリッグス BBCニュース

ハツカネズミは1万5000年前から人間と共に暮らしてきたという研究成果が報告された。化石調査の結果、共生の歴史は従来思われていたよりも古く、農業の草創期より前にさかのぼるという。

全米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された論文によると、野生のハツカネズミがレバント(東地中海)地域で人間の集落に潜り込んだのは、古代人が採集した野生の穀物や種が目当てだったと考えられる。

この野生のハツカネズミがやがて、現代のイエハツカネズミとなり、人間からただでもらえる食べ物とねぐらを享受するようになったという。

研究に参加したパリの国立自然史博物館のトマス・クッキ博士は、「この関係性のおかげでイエハツカネズミは今や、世界の隅々まで行き渡り、定着し、人類と同じくらいあらゆる場所に存在するようになり、最もはびこる哺乳類のひとつとなった」と話す。

クッキ博士は、レバント地域南部(現イスラエル北部)にあるアイン・マラッハ遺跡で発見された、げっ歯類の歯の化石を研究した。

博士によると、「人類が1万5000年前に定住し、家屋を建てはじめて間もなく」、ハツカネズミと人間の関係は始まった。

当時の人間は、石と泥でできた丸い住居に住んでいた。古代小麦や大麦など野生の穀類を採集し、鹿やイノシシを狩った。

食料がたっぷりとあり、天敵の少ないこの環境は、ハツカネズミに大いに好都合だったようだ。犬や猫の登場はまだしばらく先のことだ。

興味深いことに、アイン・マラッハ遺跡では、子犬の頭に手を置いて埋葬された人間の跡など、犬の家畜化を示す最初期とされる証拠も発見されている。

今回の研究には関わっていない米コーネル大学のジェレミー・サール博士は、農耕開始前のハツカネズミと人間のかかわりについて非常に興味深い研究内容だと評価する。

「大事なのは、種を保存して定住しているという点だ。耕作穀類である必要はなく、狩猟・採集民族が集めた野生の食料でも良かった」

ハツカネズミは野生動物だが、主に人間と関わることで生活する。ペットや実験用マウスとして家畜化されたものもいる。

(英語記事 How the mouse came to live alongside humans

提供元:http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-39414608

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