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2017年11月26日

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磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

1962年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、東京証券部、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長などを務める。11年からフリーに。熊本学園大学招聘教授。近著に『国際会計基準戦争 完結編』(日経BP社)。

 

 このところのヒット商品は「草加せんべいチョコ」。焼き上がった草加せんべいを細かく砕いてクランチ状にし、それとホワイトチョコレートを合わせた新食感のお菓子だ。6枚入り540円と決して安くはないが、「細かく砕くなど猛烈に手間がかかっているので、同業他社は誰も真似しない」(河野社長)と苦笑する。

職人によって焼かれる「天晴」せんべい

 最近メディアで話題になったのが、「おいしい非常食」。賞味期限が通常6カ月のせんべいを、10倍の5年に延ばして長期備蓄を可能にした。保存期限が来ると廃棄処分する保存食が少なくないが、せんべいならば期限が迫ったらおいしく食べてしまえる。

一球入魂の最高級品

 もともと、山香煎餅では「本物」にこだわって来た。例えば「天晴(てんはれ)」という商品はこだわりの有機米を原料に、天然素材のダシと有機醤油を使い、備長炭で職人が1枚1枚焼き上げる。どんなに頑張っても職人1人が1日100枚しか焼けない。値段は1枚1080円。12枚入りが1万4040円という、せんべいとしては超高級品だ。

 「30年やっているベテラン職人にベンツぐらい乗らせてあげたい。一球入魂の最高級品ですから」

生産ラインを流れていくせんべい

 せんべいを極めた職人に、それに見合う十分な稼ぎを払おうとすれば、決して高くない値段だ、というわけだ。

 もちろん、機械を使って焼いている商品も多いが、それでも本物の材料にこだわっている。調味料も「アミノ酸」は使わず、昆布やカツオのダシをとって使っている。スーパーなどに大量に売る価格勝負の商品は作らない。

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