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2017年4月7日

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ドナルド・トランプ米大統領が最高裁判事に指名したニール・ゴーサッチ連邦控訴裁判事(49)の承認をめぐり、上院共和党は6日、単純多数で承認を可能にする異例の規則変更を行った。

あまりに極端な最終手段のため「核のオプション」と呼ばれる規則変更により、野党・民主党は議事妨害(フィリバスター)による承認抵抗ができなくなる。

ゴーサッチ氏の承認採決は7日に実施される予定。

共和党が「核のオプション」を選んだことで、議会の党派対立はいっそう深まる見通し。共和党のジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州選出)は「民主主義にとって悪い日だ」と語った。

最高裁判事の任命は、銃規制や人工妊娠中絶、選挙資金、労働者やLGBT(性的少数者)の権利など、米国で最も激しく議論される法的問題について、最終判断を下す最高裁の政治思想的な勢力図を決めることになる。

上院では6日、議事妨害を終わらせ承認を採決するために必要な60票に5票足りなかった。このため、共和党のミッチ・マコネル院内総務が規則変更を採決にかけて反撃。与野党議員の構成と同じ52対48で、変更が可決された。

規則変更によって、ゴーサッチ氏は単純過半数での承認が可能になる。定員100人の上院で、共和党議員は52人と多数を占めている。

規則変更によって、将来の最高裁判事の承認も単純過半数で可決されることが可能になる。上院の少数派の権利が損なわれることへの懸念は、与野党両方の議員が指摘している。

民主党のジェフ・マークリー上院議員(オレゴン州選出)はツイッターで、「暗黒の行為が行われた。マコネル氏はたった今、(憲法前文にある)『我々人民』による共和制の心臓にナイフを突き刺した」とコメントした。

今回の規則変更には、共和党の重鎮議員らも懸念を表明している。

マケイン議員は6日に本会議に臨む際、「今からしようとしていることを、我々はいつか後悔するのでないかと恐れている。いや、必ず後悔するはずだ」と語った。「時の与党がどちらだろうと、少数派の権利が守られる、機能する上院でなくてはならない」。

民主党議員らは、ゴーサッチ氏が労働者よりも企業寄りだとして承認に反対してきた。

しかし、保守派のアントニン・スカリア最高裁判事が昨年2月に急死したことを受けて、当時のバラク・オバマ大統領はメリック・ガーランド控訴裁判事を指名したものの、共和党が承認手続きの開始を拒否し、民主党の恨みを買った経緯もある。

マコネル院内総務は当時、承認手続きを拒否することで、大統領選後の保守派判事指名に期待をかけた。

民主党も2013年に、最高裁よりも下位の各種裁判所の判事任命について、共和党の議事妨害に対抗するため「核オプション」を使っている。民主党は当時、オバマ政権の指名を共和党が異例な形で妨害していると批判していた。

しかしその際、最高裁判事の承認については議事妨害を無効にはしていなかった。

(英語記事 Republicans go 'nuclear' to ram through Trump court nominee

提供元:http://www.bbc.com/japanese/39524246

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