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2017年4月10日

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北朝鮮による核開発への懸念が高まるなか、米軍は9日までに、海軍「打撃群」を朝鮮半島へと派遣した。原子力空母カール・ビンソンを中心とする打撃群には、空母や駆逐艦などが含まれる。

現在、西太平洋へ向かっている打撃群について、米太平洋司令本部は朝鮮半島周辺での即応態勢を維持するための予防的措置だと説明している。

デイブ・ベンハム太平洋軍司令本部報道官は、「同地域の最大の脅威は依然として、北朝鮮だ。北朝鮮は無謀で無責任で不安定要因となるミサイル実験を重ね、核兵器保有を目指している」と述べた。

ドナルド・トランプ米大統領はこれまでに、北朝鮮の核の脅威に対して単独で行動する用意があると表明している。

派遣された打撃群とは

打撃群には、ニミッツ級空母カール・ビンソン、誘導ミサイル駆逐艦2隻、誘導ミサイル巡洋艦が含まれる。

ノラ・タイソン提督指揮下の空母団には、強力な攻撃力のほか、弾道ミサイル迎撃能力もある。

当初はオーストラリアに寄港する予定だったが、寄港先のシンガポールから予定を変更して、朝鮮半島近海に向かうことになった。朝鮮半島周辺では韓国海軍と軍事演習を行ったばかり。

核実験を繰り返してきた北朝鮮は、米国を射程圏内に収める核弾頭の開発に近づきつつあると、専門家筋は指摘。そのため今後も、国連決議を無視して、核実験や大陸弾道ミサイルの発射実験を重ねるものとみられている。

5日には東部のハムギョン(咸鏡)南道シンポ(新浦)付近から日本海へ、弾道ミサイル1発を発射。3月には北西部の中国との国境に近い東倉里(トンチャリ)から日本海に向け弾道ミサイル4発を発射。4発のうち3発が日本の排他的経済水域(EEZ)に落下し、日本政府は強く反発した。

国際社会が非難する一方で北朝鮮は、侵略演習の米韓合同軍事演習に挑発されたものだと弁明している。

北朝鮮はさらに、トランプ政権のシリア攻撃を注視。7日早朝に米軍がシリア政府軍基地を空爆したのを受けて、北朝鮮は「主権国家に対する受け入れがたい侵略行為」だと米国を非難し、自分たちの防衛体制強化も米国のこうした行為によって正当化されると主張した。

高まる緊張

直近のミサイル発射実験は、習近平中国国家主席の訪米直前に実施された。

米中首脳会談では、北朝鮮の核・ミサイル開発対策を協議。米国は北朝鮮の同盟国・中国に、緊張緩和への支援を求めたとされる。

中国は従来、北朝鮮崩壊による難民危機や米軍の接近を懸念して、北朝鮮の孤立化を避けようとしてきたが、核開発を強行する北朝鮮との関係は悪化しつつあると言われる。

一方で米政府は北朝鮮に対して強硬姿勢を重ねており、財務省は3月末、大量破壊兵器開発の資金調達に携わったとして、北朝鮮の11人と貿易会社1社を、資産凍結や取引禁止などの制裁対象に加えた。

さらに連邦議会では、2008年にいったんテロ支援国家リストから除外された北朝鮮を、再度リストに加える法案を検討しており、4月3日には下院が394対1の圧倒多数で可決した。

これに対して北朝鮮は、国際社会が制裁を強化すれば報復すると反応。米国が事態を「戦争の瀬戸際」にまで追い込んでいると非難した。

(英語記事 North Korea missiles: US warships deployed to Korean peninsula

提供元:http://www.bbc.com/japanese/39550604

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