BBC News

2017年4月10日

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米国務長官としての初訪ロを目前に控えたレックス・ティラーソン氏は、シリアが反政府勢力地域の町に化学攻撃を実施できたのは、ロシアのせいだと非難した。

9日放送のCBSニュースとのインタビューでティラーソン長官は、シリアが国際社会に約束した化学兵器の廃棄をロシアが十分に管理監督しなかったせいで、イドリブ県での攻撃が可能になったと述べた。

ティラーソン氏は、化学攻撃とされるシリア軍の攻撃にロシアが関与していたと示す証拠は何もないと指摘した上で、「ロシアが共謀していたか、それとも単に無能だったのか、あるいは(シリア政府に)してやられたのかはともかく」、ロシアは「国際社会への約束と責任を果たさなかった」と批判した。

ロシアは「シリアの備蓄化学兵器の備蓄廃棄について保証する」と合意したのにもかかわらず、「ロシアが失敗したせいで、子供たちや罪のない人たちがますます殺されることになった」と長官は付け足した。

ティラーソン氏は10日にイタリアで開かれるG7外相会談に出席した後、モスクワを訪れ、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と会談する予定。

G7外相会談では、アサド政権と距離を置くようどのようにロシアへの圧力を強めるかを話し合う。

ロシアはシリア政府の主要同盟国。2013年には、シリアの化学兵器廃棄の国際管理体制構築とシリアの化学兵器禁止条約加盟に尽力した。

化学攻撃が疑われる4日のハーン・シェイフン攻撃では、少なくとも89人が死亡。これを受けて米国は6日夜(シリア時間7日未明)、東地中海からシリア北西部のシリア空軍基地にトマホーク巡航ミサイル59発を発射した。

ミサイル攻撃の後、米南部フロリダ州の私邸「マール・ア・ラーゴ」で会見したトランプ大統領は、シリアのバシャール・アル・アサド大統領は「独裁者」で、「罪のない市民に恐ろしい化学攻撃を実施した」と非難した。

これに対してシリア政府は、「愚かで無責任」な攻撃だと米政府を批判。ロシア政府も同様に、米政府が「荒唐無稽な前提をもとに国際法に違反して、主権国家に対して侵略行為」を実施したと批判した。

シリア政府は化学兵器の使用を否定している。ロシアは、シリアの化学兵器保有を示す証拠を米国が何も提示していないと反発している。

ロシア政府は、シリアが化学攻撃を実施した事実はないと主張。現場の住民が被害にあったのは、反政府勢力用に化学兵器を製造していた貯蔵施設が、シリア軍機に爆撃され、薬品が漏れ出たからだと説明している。

これに対して欧米各国の政府やシリアの反政府指導者たち、化学兵器専門家はいずれもロシアのこの主張を批判し、シリア政府による攻撃だったと証拠は示していると主張している。

(英語記事 Tillerson: Russia 'failure allowed Syria chemical attack'

提供元:http://www.bbc.com/japanese/39550724

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