「子縁」でつながる秋津地域のお父さん 

2017年4月30日

»著者プロフィール
著者
閉じる

岸 裕司 (きし・ゆうじ)

秋津コミュニティ顧問

1952年東京生まれ。広告・デザイン会社の(株)パンゲア代表取締役、習志野市立秋津小学校PTA会長時に秋津コミュニティ創設、会長を経て現在顧問兼秋津小学校コミュニティルーム運営委員会顧問。文部科学省委嘱コミュニティ・スクール推進員、学校と地域の融合教育研究会副会長、埼玉大学・日本大学非常勤講師、ほか。著書に『「地域暮らし」宣言』『学校を基地にお父さんのまちづくり』(ともに太郎次郎社エディタス)、『学校開放でまち育て』(学芸出版社)など。

 私が千葉氏の話でうれしかったのは、同国では幼児期からデモクラシー=民主主義教育を徹底して行っているとのことです。

 その民主主義教育の根幹は「自由・平等・博愛(共生・連帯)」の精神を学ぶこと。

 図は、「日本とデンマークの『平等』の考え方の違い」を千葉氏がスライドで示したものです。

日本とデンマークの「平等」の考え方の違いの図
写真を拡大

 たとえば、ピザパイを3人で平等に分けようとすると、日本人の場合は左の図のように3等分にするというのです。私も千葉氏が会場に投げかけた際にはそのように思いました。

 ところがデンマーク人は、右の図のように考える、とのこと。

 つまり、Aの人は「空腹なので半分」「そのつぎに空腹なのはBの人」、で「Cの人はそんなにお腹がすいていないので少なくてよい」のように考える、ということです。

 日本人は「機会の平等も配分の平等も同じに」との考え方ですが、デンマーク人は「配分の平等」の考え方が、その場や人に応じて考える=乳幼児期から他人を思いやる「博愛(共生・連帯)」の精神とともに民主主義を学び実践するということなんです。

政治を信頼しているデンマークの税金は高率

 また、クリステンセン女史の話では、デンマークの保育士さんの月給は40~45万円くらいだそうです。

 しかし、月給の半分くらいが税金とのこと。

 でも、選挙権を行使しての政治への参画を徹底的に果たして共生と連帯を基礎にした個々人の意志からなる民主主義の国へ到達し、また信頼される政治家を育成してきた伝統から、貯金をしなくても困らないので税金を積極的に納める、とのことなんですね。

 いっぽう、わがニッポン国は、安倍首相がいうように「美しい国、日本」が先にあり、雑々とした日々の生活が紡ぎだす個々人の意志=デンマーク流の博愛のデイリー・デモクラシーは「国への帰属」の後方に追いやられ、多くの人が疑いなく従っているように見える現状です。

 デンマークの政治状況と対比すると、ニッポン国の有権者は選挙権を行使しないからたったの25%の得票で議員になり、そのうえ多数決民主主義を駆使して政治家はやりたい放題。というか、支持者へのゴマすりばかりかな。

 ニッポン国の有権者である多くの親は、わが子が育つと教育に無関心になる「私的親」であり、政治家はそんな有権者より永続して支持してくれるモノ的業界(土建や建設業など)の有権者へのアピールと関連の予算確保に精を出し、その業界の有権者も私的な権益を確保してくれる政治屋を支援し続ける構造になっているように思います。

 だから議員は教育は票にならないことから金をかけない。

 「保育園落ちた、日本死ね」の寂しい現実。

 原発は推進するし、憲法は改定に向かうし、またテロ等準備罪で自由な集会や発言の自由をはく奪、7世紀の持統天皇の「すごろく禁止令」から1,300年以上の歴史を無視してカジノ解禁法も決議に、状態……。

 正直、空しいのです。

 でも、政治を批判することは、私自身が天に唾を吐くのと同じなんですから……、ああぁ、と。

 デンマークもよいことばかりではないのでしょうが、日本の現状との大きな差に感心し、ため息が出てしまいました。

関連記事

新着記事

»もっと見る