「子縁」でつながる秋津地域のお父さん 

2017年4月30日

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岸 裕司 (きし・ゆうじ)

秋津コミュニティ顧問

1952年東京生まれ。広告・デザイン会社の(株)パンゲア代表取締役、習志野市立秋津小学校PTA会長時に秋津コミュニティ創設、会長を経て現在顧問兼秋津小学校コミュニティルーム運営委員会顧問。文部科学省委嘱コミュニティ・スクール推進員、学校と地域の融合教育研究会副会長、埼玉大学・日本大学非常勤講師、ほか。著書に『「地域暮らし」宣言』『学校を基地にお父さんのまちづくり』(ともに太郎次郎社エディタス)、『学校開放でまち育て』(学芸出版社)など。

 この「地域学校協働活動」推進事業は、文部科学省によるとこのような施策です。

1.これまで生涯学習政策局の施策として個別に実施してきた「学校支援地域本部」事業や「放課後子ども教室」「土曜日事業」などを統合して新たに設置の「地域学校協働本部」に一本化し、その総称を「地域学校協働活動」とする。
2.そのうえで、初等中等教育局が推進の「コミュニティ・スクール」事業と「地域学校協働本部」事業とが連携・協働する。
3.その推進の要に、地域には「統括コーディネーター」(市町村レベル)500人+「地域コーディネーター」(学校区レベル)20,000人(注:全国の小学校数に相当)を配置し、学校には「地域連携担当教員(仮称)」を新たに配置する(この教員配置の人数や予算については現時点では未定)。

 その目的は、以下です。

1.地域の人的・物的資源の活用や社会教育との連携により「社会に開かれた教育課程」を実現
2.地域住民による学校支援活動・放課後の教育・文化活動等の実施
3.学校を核として、大人と子供が学び合い地域コミュニティを活性化

 いかがでしょうか。

 私がこれまで紹介してきた、秋津での学社融合の推進による「スクール・コミュニティ」づくりを目指す具体的な新施策と考えるのですが。

 その意味では、秋津のお父さんたちが1992年の秋津コミュニティの前身団体の創設から25年目、1995年の秋津小学校コミュニティルームの開設から22年目にして、「国がやっと追いついてきた」といえるのではないかなぁと、手前みそながら思うのです。

秋津コミュニティの有志による新たな挑戦
~NPO法人ライフサポートの始動

 さて、これまで秋津実践を連載してきましたが、秋津の課題や展望にはどのようなことがあるのでしょうか。

 課題といえば、やはり高齢化と少子化かな。

 秋津のまちが誕生して10年目の1990年は、人口が最盛期で8,088人、65歳以上の高齢化率は10,6%であったのが、2017年3月現在は人口で7千人を割り込み、高齢化率も29,8%にも上がりました。

 秋津小学校の児童数も最盛期の約4分の1の約300名まで減りました。

NPO法人ライフサポート誕生のチラシ。2017年3月秋津のまちに全戸配布
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 私の子どもたちは、4人の孫とともに秋津にUターンしてきて、少子化に若干は貢献していますが、まだまだ若い家族を「誘致」することが大きな課題です。

 そのためにも、子育てしたくなる魅力的なソーシャル・キャピタルの高いまち・秋津にもっとしなければなりません。

 いっぽう、明るい秋津コミュニティらしい前向きな展望は、この2月にNPO法人ライフサポートを秋津コミュニティの有志のお父さんらが発足させたことです。

 そして、3月に秋津の全戸に配布されたカラーのチラシには、「秋津のみなさまにおしらせ」の文言から始まり、「NPO法人“ライフサポート(ALIS)”誕生!」と爽やかなグリーン系の色で大書されています。

 記載されたサポート業務の一例は、「電気器具の部品の交換、水道の漏れ補修、換気扇掃除、障子の張り替え、庭の草刈り・選定、パソコン操作指導、包丁・刃物研ぎ、買い物の同行、荷物運搬、送迎」など。

 そして運営委員には、各町会在住の秋津コミュニティの工作クラブやパソコン倶楽部などのお父さんらの名前が連なります。

 私は、「秋津はここまで自助・共助、最後に公助のまち育ての精神が醸成されてきたんだなぁ」と、とてもうれしくなりました。

 では、長いことお読みいただきまして、感謝を申し上げます。アディオス! アミ~ゴ!

  
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