使えない上司・使えない部下

2017年5月15日

»著者プロフィール
閉じる

吉田典史 (よしだ・のりふみ)

ジャーナリスト・記者・ライター

ジャーナリスト。1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年から、フリー。
主に、人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。『悶える職場』(光文社)、
震災死』『あの日、「負け組社員」になった…―他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)『封印された震災死』(世界文化社)など。

質問の意図を素早く、深くくみ取り、的確な回答をする人

 プロフィールを拝見するとき、私は厳しい業界や会社の人を評価することが多いのです。「厳しい」とは、仕事のアウトプットなどに高いものを求めたり、基本ができていないことを認めなかったり、現状維持を許さないようなことを意味します。目標に達成していないと、強いプレッシャーがかかることも「厳しい」と言えるでしょうね。上司やクライアントが厳しいと、自分の現状に満足することなく、常に上を見て、高い目線で仕事をしていくと私は考えています。

 

 厳しい会社としてすぐに思い浮かべるのは、例えば、大手通信業界の〇〇社や〇〇グループ、有名なコンサルタントの方が経営している〇〇社、証券会社の〇〇社などです。不動産販売会社も全般的に厳しいように思えます。こういう会社の社員を求人サイトのプロフィール欄で拝見し、「スカウトメール」を送ります。実際に面接などで接すると、思考が深く、仕事のアウトプットに安易な妥協をしない傾向があります。

 厳しいとは言い難い会社にいたとしても、自分に厳しく生きている人は高い目線で、きちんとした仕事をしています。こういう方ともできる限り、お会いできるように心がけています。ちなみに、「鍛えられていないのかな」と感じるのは、鉄鋼、家電、食品などの大手メーカーです。

 「スカウトメール」を出して面接でお会いするとき、私が特に重視するポイントの1つが、思考力です。例えば、このようなことをお聞きします。

 「あなたが現在のポジションよりも2つ上のランクにいるとします。今後、半年間は、まず何をしますか?」。現在、非管理職ならば、2つ上は部長だと仮定して、答えていただきたいのです。

 仮に、こんなことを答えたとします。「隣の部下の仕事は、ここに問題がある。これをこう直したい…」。これは、同じ部署にいるひとりのスタッフの目線で答えた内容に思えます。20代半ばから30代前半になっているならば、この内容では、少々物足りないのです。

 私としては、2つの上の目線から社員教育全体を見据え、その中の1つとして隣の部下のことを語ってほしい。20代の頃に、2つの上のポジションにいると仮定し、俯瞰で部署やチームなどをとらえ、仕事をする人がいます。そのような人は思考力が深いし、その後、伸びていく傾向があります。

 例えば、給料についてこちらに尋ねるならば、このようなレベルのことは少なくとも聞いてほしい。

 「私は、仕事の実績や成果をきちんと評価してもらえる評価システムを求めています。御社では、そのあたりはどのように設計されていますか?成果は、社員の昇給にどのように反映されますか?社員間の昇給や賃金の差は、何年間でどのくらいの差が出るのでしょうか?」

 結局、こちらの質問の意図を素早く、深くくみ取り、的確な回答をする人は思考力が深いのだと私は思います。少々、困るのは、質問に答えることなく、別の質問をして切り返してくる人です。

 例えば、「この業務を成功させるコツは何ですか?」に対し、「今回の採用ポジションでは、どんなスキルが求められているのですか?」といったものです。これは、ビジネスのマナーとしては好ましくないかもしれませんね。それでも、「使えない人」とは私は思いませんが…。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る