定年バックパッカー海外放浪記

2017年5月28日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年生まれの62歳。横浜生まれ、神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

田舎の裁判所

 4月18日(月)。オクラホマ州西端に位置しテキサス州に隣接しているベッカム郡(Beckham County)は人口2万人余り。中心の町は落ち着いた雰囲気のElk Cityである。赤煉瓦と石材で作られた美しい建物が地方裁判所(District Court)だ。中に入ると警備員がパンフレットをくれた。築後100年近い歴史建造物のようだ。

オクラホマ州ベッカム郡の地方裁判所

 警備員は自由に見学するように階段を指さした。2階は事務所で3階が法廷になっていた。大法廷は閉まっていたが小法廷は開いていた。小法廷の隣に二つ小さな部屋があり弁護人と被告人などの関係者が打合せする待合室になっていた。

 小法廷では判事らしい中年婦人が申し立てをしている若い男性の話を身を乗り出して聞いていた。弁護士らしい中年紳士が判事に何か耳打ちした。しばらく判事は書類に目を通してから若い男性に何かを申し渡した。男性の彼女らしい若い女性が男性に駆け寄って男性と抱き合った。何か問題が一件落着した様子だ。

地方裁判所の小法廷。前方の壇上にいるのが女性ジャッジ(判事)

 つづいて判事が名前を呼ぶと小法廷でベンチに座って待機していた中年の禿オヤジが判事の前に進んで挨拶した。判事の婦人が書類に簡単に目をやってから何かを申し渡して禿オヤジが頷いて退去した。

 それから我々の前のベンチに座っていたカップルが弁護士と一緒に判事の前に進んだ。弁護士が何やら判事に説明しているが判事は書類に目を通している。二言三言判事がカップルに質問。判事が何かを申し渡すとカップルと弁護士は退出した。明らかに落胆してやや興奮している様子であった。

 小気味よく速いテンポで案件が処理されてゆく。判事の婦人は表情やジェスチャーが豊かで人間味が感じられた。日本の刑事ドラマでみる無機質な裁判官像と比較するといかにもアメリカ的だ。遠慮して後ろのベンチに座っていたので残念ながら関係者の会話は聞き取れなかったがアメリカの地方自治における下級裁判所のアットホームな雰囲気は興味深かった。

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