ペコペコ・サラリーマン哲学

2010年7月20日

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 世界経済の行く末に大きな影響を与える2つのニュースがありました。ひとつは、金融規制改革法案が、7月15日に米国の上院議会を通過したこと。もうひとつは、世界中の市場関係者が注視している、欧州金融機関の資産査定(ストレステスト)の結果が、23日に発表されることです。

 2008年9月15日の米投資銀行リーマン・ブラザーズ破綻に端を発する、リーマンショックは世界中に大・大・大不況をもたらしました。震源地の米国が、リーマンショックの反省に基づいて立案したのが、金融規制改革法案です。そして、リーマンショック後、世界の国々が大変な犠牲を払って、ようやく回復してきたかのように見えた景気に、冷や水を浴びせかけたギリシャ問題の行き着いた先が、欧州の金融機関のストレステストです。だから、この2つの方策が、どの程度の実効性を持つかが、世界にとってとても重要だと思います。

 先日、6月27日に発売となった、『だれかを犠牲にする経済は、もういらない』(ウェッジ刊)で対談した原丈人さんは、世界経済の行く末を、非常に悲観的に見ています。私は前々から「二番底が来るに違いない」と言ってきたので、米国のことをよく知っている原さんも同じ考えであることを知り、驚きました。

 原さんは、米国の状況について特に次の2点を挙げました。

・ GDPなどの経済統計はテクニックでよく見えるように作られており、実態経済はもっと悪いということ。特に、雇用の問題は深刻で、失業率が10%程度から依然良くならないばかりか、実際は失業率にカウントされない「働く意欲まで失った人」が数多くいること。

・ ボルカー・ルールなど、金融規制がいくら強化されても、ウォール街のほうが規制当局より強かで賢いため、規制をすり抜けるテクニックを次々と編み出すに違いなく、規制が効力を持つとは考えにくいこと。

 原さんは、欧州の問題も非常に深刻に見ています。ギリシャ問題のような、財政状況の悪い国は次々とあらわれ、いくら救済しても間に合わず、欧州の金融システムの脆弱性は簡単には修復できず、今後10~15年の間、欧州は「失われた時代」を経験するだろう、とおっしゃっています。

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