関西発!オモロイ社長、オモロイ会社

2017年6月11日

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杉浦佳浩 (すぎうら・よしひろ)

代表世話人株式会社代表

三洋証券株式会社入社(昭和62年)。鹿児島支店にて勤務。地元中小企業、個人富裕層の開拓を実施。 日経平均最高値の2カ月前に退職。次に日本一給与が高いと噂の某電機メーカーに転職。埼玉県浦和にて、大手自動車メーカー、菓子メーカー、 部品メーカー等の主力工場を担当。 退職時は、職場全員から胴上げ。そして、某保険会社に20数年勤務後、平成26年末に退社。在社中は、営業職、マネジメント職を経験して、リテール営業推進、若手人財育成を中心に担当していた。 社外の活動も活発に行っていた。平成27年1月1日、代表世話人株式会社を設立。
同社代表取締役に就任。世話人業をスタート。

 続いていくつかの質問を佐田さんに投げかけました。

Q 電動IoT家具が世界的になぜなかったと思われますか?

佐田社長(中央)

医療介護業界の製品においては、電動機能を搭載した製品がありますが、いずれも専門性の高い製品で機能やターゲットが絞られ、その多くは特注品のような扱いでした。

家具インテリア業界の製品は、デザイン、マテリアルにこだわるものの機能面の技術開発に取り組んでいる企業や製品はあまり見受けられません。ターゲットと機能を絞り込み過ぎることで市場規模が読みづらく、大企業は投資決定に至らなかったのではないでしょうか。

I&CのRobotics Design Furniture LAPシリーズ(電動IoT家具)は、デザイン性と機能性を兼ね備えた幅広いラインナップで、インテリアとメディカル業界をクロスオーバーする新市場で世界ブランドの確立を目指します。“人に寄り添う”をコンセプトに、ロボティクス、センシング、IoT、AIなど最新技術を搭載し、小さなお子様からお年寄りまで、使う人の身長や体勢、シーンに合わせて、例えば、洗面台、キッチン、家具が上下電動自動昇降、前後左右にスライドし、商品サイズに空間や用途に合わせて自在に変えることができる製品です。

また、介護の現場では、要介護者にそっと寄り添うLAPの機能は、自立的な生活環境を整えることができ、ADL(日常生活動作)向上や介護者の負担軽減にもつながり、深刻な人手不足の一助となります。住宅や医療介護施設のスマート化が進む中で、家電に比べ、家具インテリアのIoT化は進んでおらず、I&CはIoT対応の家具インテリアブランドとして広く認知を進めます。また在宅介護やリバビリ対応の製品開発も進んでおり、今後大きな柱になってくると思います。

Q デンマークとの取り組みは、なぜ国家プロジェクトになったのですか?

I&CはLAPシリーズ(電動IoT家具)の海外進出アクションとして、デンマーク大使館に約3年前からアプローチしていました。 デンマークは「フリッツ・ハンセン」など、世界的な長寿命インテリアブランドを有する家具デザインの聖地であり、また社会保障先進国として、EUをはじめ各国のモデルになる世界有数の介護先進国でもあります。そのため、デンマークをヨーロッパ進出の第一歩と考えたのです。

LAPをデンマーク大使館経由でモニタリングして頂いたところ、「機能は抜群に素晴らしくぜひ取り入れていきたいがデザインが課題」との返答。そこでヨーロッパで受け入れられる家具デザインができるパートナーと組めるかが、ヨーロッパ戦略の切り口になると考えました。そこでデンマークへのアプローチをつづけた結果、LAPが「インテリアと介護機能を併せ持った家具」であることが受け入れられ、デンマーク外務省国家プロジェクトに選出されました。また、デンマーク外務省を含む合同連携チームのバックアップで、デンマークに現地法人を設立し、デザイン&マーケティングセンターを設立することも決定しました。2017年5月より、デンマークのデザイナー、医療介護、IT、南部自治体の合同連携でLAPシリーズの新展開がスタートします。

Q 大阪の行政のバックアップ体制について、大阪市の公認プロジェクトに選出されていますが、佐田さんが受けた感想を

今まで大阪トップランナー育成事業(大阪市)、新分野・ニッチ市場参入事業化プロジェクト(大阪府)に採択されました。事業計画をはじめ、資金調達、技術開発、原価調整、知財戦略、人材採用、販売戦略、広報活動など幅広いサポートがあり、事業推進や意思決定に必要な情報が得られます。専門的な見地でアドバイスを頂き、開発に要する時間短縮ができたり、事業会社をご紹介いただき、直接お客様の声を聞くことができたり、それを製品に反映させることで、より利用者に寄り添い必要とされる商品を作り上げることができました。営業の観点では事業計画を具体的なアクションに落とし込むことで、展示会やメディアへの露出が増え、お客様からの問い合わせや引き合いも増えました。バックアップは型にはまったものでなく、入念な打ち合わせのときも、社内体制や経営課題を共有し、直面する課題を親身になって粘り強く取り組んで頂けるため心強かったです。

Q 今までの会社経営で一番の危機・苦労について

LAP発売当初、今まで販売経験のない医療介護業界へのアプローチや洗面台、キッチンのような住宅設備はそれぞれ独特の商流があり、業界の歩き方を掴むのに時間がかかりました。今は医療と民生でそれぞれパートナー制度を作り、販売はもちろん、マーケティングやモニタリングなど得られる情報も多くなり、製品開発も加速しました。商品ラインナップの拡充と共に皆さまの生活になくてはならない製品をお届けして参ります。

Q 大阪、関西で起業して『良かったこと、悪かったこと』

関西で起業して良かったこと、悪かったこと 関西で起業し良かった点は、様々な人的ネットワークが構築しやすい。東京に比べるとベンチャー企業が少なく、事業会社との提携や行政、各種団体の様々な支援、制度を受けやすい。悪いと感じたことはほとんどなく、今後も関西を拠点に日本、海外パートナーを増やして参ります。

 海外展開に注力を一層増していくI&C社は、2016年11月ドイツで開催の世界最大の医療機器展「メディカ」に出展をきっかけに、サウジアラビア、ポーランド、ドイツ等の現地代理店候補と交渉が進んでいます。アジアでは、上海、北京、シンガポール、台湾にも進出、シンガポール最大級の病院には1400台の納入を予定し、タイには2018年に製造工場設立を計画しています。

 2017年1月に、アメリカ・ニューヨークに「I&C AMERICA INC.」を設立。アメリカでは、主に高級レジデンスへのアプローチを計画しており、2017年5月には、世界最大かつ最新のインテリアデザインと家具が一同に集まる見本市「ICFF」(ニューヨーク国際現代家具見本市)へ出展をし、世界中から集まったデベロッパー、ディストリビューターバイヤー、建築家から評価を得、「キッチン部門最優秀賞」を受賞されました。

 このNYでの出展を皮切りに、これから北米進出を本格的に始動されます。さらに同5月下旬、ニューヨーク・タイムズスクエアの近くにプレゼンテーションショールームを開設し運営がスタート。LAPシリーズほぼ全てのラインナップを紹介し、アメリカ展開の拠点にしていきます。佐田さん自ら現地へ定期的に出向き、人に寄り添う電動IoT家具のLAPシリーズを世界へアピールしていきます。日本製家具が今まで西洋のアレンジというイメージを払拭しデンマークという付加価値を搭載、地球を俯瞰してアグレッシブに進化していく佐田さん、そして株式会社I&Cに今後も注目していきたいと思います。

  
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